妻と二人で日本中を車中泊で巡るようになってから、もう3年になります。最初は長野や山梨ばかり目指していたのですが、ある時ふと気づいたんですよね。「埼玉って、実は車中泊の穴場なんじゃないか」と。都心から近いのに自然が豊か、そして初心者向けの施設が充実している。今では年に4〜5回は埼玉を訪れるようになりました。この記事では、実際に泊まった8つのスポットを、失敗談も含めてご紹介します。
埼玉が車中泊に選ばれる理由
都心からのアクセスの良さと自然のバランス
埼玉を選ぶ最大の理由は、やはりアクセスの良さなんですよね。東京からわずか1〜2時間で、秩父の山々や長瀞の渓谷といった本格的な自然に出会えるんです。バックパッカー時代、私はタイやペルーの奥地を旅していましたが、当時と比べても「こんなに近くに、こんなに素晴らしい場所があるのか」と驚きました。
特に妻が「毎週末、長い移動は避けたい」と言うようになってからは、埼玉の価値がより一層高まりました。金曜日の夜に出発して、土曜日は丸一日観光地を巡り、日曜日に帰宅する。そんなペースが実現できるのは、埼玉だからこそなんです。
初心者向けの施設が充実している理由
埼玉県は観光地としての知名度が高く、車中泊者向けの施設整備が進んでいます。道の駅の数も多く、トイレや水道が整備されているスポットが豊富。いやはや、驚きました。最初に埼玉で車中泊をした時、「こんなに安心できる環境があるんだ」と感じたほどです。
初心者の方は特に、駐車場の選択肢が多く、トラブルが少ないエリアから始めるのが得策。その点で、埼玉は理想的な入門地なんですよね。
埼玉の車中泊おすすめスポット8選
1. 秩父エリア(道の駅ちちぶ)
秩父は埼玉を代表する観光地であり、車中泊スポットとしても最高峰です。道の駅ちちぶは、駐車場が広く(約200台収容)、24時間トイレが利用できます。営業時間は8:00〜19:00ですが、駐車場は24時間開放されているため、早朝や夜間の到着も問題ありません。
私たちが初めて秩父で泊まったのは、2021年の11月でした。紅葉の季節で、朝日が山々を照らす光景は本当に美しかった。道の駅から徒歩15分ほどで秩父神社に参拝でき、地元の蕎麦屋も近くにあります。ただし、秋の観光シーズンは混雑するため、できれば平日の利用をおすすめします。
基本情報
– 住所:埼玉県秩父市熊木町8-15
– 駐車料金:無料
– 設備:トイレ、水道、売店、レストラン
– 注意点:観光シーズン(秋)は満車になることがあります
2. 長瀞エリア(長瀞町営駐車場)
長瀞は、荒川の渓谷美で知られる観光地です。町営駐車場は複数ありますが、特に「長瀞駅前駐車場」が車中泊に適しています。駐車料金は1日600円(2024年現在)で、トイレは24時間利用可能です。
妻がここを「埼玉で一番好きな場所」と言うほど、景色が素晴らしいんです。朝靄の中、川の流れる音を聞きながら目覚めるのは、本当に格別。駐車場から徒歩5分で岩畳という奇岩の景勝地に到着でき、ハイキングコースも充実しています。
ただし、一つ失敗談があります。私たちは以前、連休中に深夜に到着したのですが、駐車場が満車で、結局隣町の駐車場に停めることになりました。長瀞は人気が高いので、事前に到着時間を計画することが重要です。
基本情報
– 住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
– 駐車料金:600円/日
– 設備:トイレ、水道(駐車場内に限定あり)
– 営業時間:24時間駐車可能
3. 奥秩父・奥多摩方面(山梨との県境付近)
秩父からさらに奥に進むと、山梨県との県境近くに到達します。このエリアは、より本格的な自然を求める人向けです。特に「道の駅みなの」(秩父市)周辺は、標高が高く、夜間の星空が素晴らしいんですよね。
私たちは今年の8月、このエリアで3泊しました。夜間気温が15℃程度まで下がるため、真夏でも快適に過ごせます。ただし、山道が狭く、ミニバンでも走行に注意が必要です。カーナビの指示に従わず、地元の方の情報を参考にすることをおすすめします。
基本情報
– 道の駅みなの:埼玉県秩父市中津川
– 駐車料金:無料
– 設備:トイレ、水道、売店
– 注意点:冬季は積雪の可能性があります
4. 越生町周辺(越生町営駐車場)
越生町は、梅の名所として知られ、春の梅祭り時期には多くの観光客が訪れます。町営駐車場は「越生駅前駐車場」が便利で、駐車料金は1日500円程度。トイレは24時間利用可能です。
このエリアの魅力は、観光地としての整備が進んでいながら、秩父ほど混雑していない点です。妻は「落ち着いた雰囲気が好き」と言っています。また、越生町は果物の産地として知られており、地元の直売所で新鮮な野菜や果物を購入できます。
ただし、駐車場の設備は最小限なので、トイレ以外は期待しない方が良いでしょう。
基本情報
– 住所:埼玉県入間郡越生町越生
– 駐車料金:500円/日程度
– 設備:トイレ、水道(限定的)
– 営業時間:24時間駐車可能
5. 寄居町(寄居町営駐車場)
寄居町は、荒川沿いの静かな町です。町営駐車場は「寄居駅前駐車場」で、駐車料金は1日400円。トイレは24時間利用可能で、設備も比較的整っています。
このエリアは、観光客が少なく、本当に静かなんですよね。バックパッカー時代、私は人混みを避けて旅をすることが多かったのですが、その頃の感覚を思い出させてくれます。駐車場から徒歩20分で、江戸時代の宿場町を再現した施設「寄居町役場」に到達でき、歴史好きにはたまりません。
基本情報
– 住所:埼玉県大里郡寄居町寄居
– 駐車料金:400円/日程度
– 設備:トイレ、水道
– 営業時間:24時間駐車可能
6. 飯能市(あさひ公園)
飯能市は、東京に最も近い埼玉の車中泊スポットの一つです。あさひ公園は、駐車場が広く、トイレも整備されています。駐車料金は無料で、24時間利用可能です。
このエリアの特徴は、都心からのアクセスが非常に良い点。金曜日の夜に仕事を終えてから出発しても、22時には到着できます。また、公園内には散歩コースがあり、朝の運動に最適です。
ただし、公園のため、夜間は街灯が少なく、懐中電灯は必須です。
基本情報
– 住所:埼玉県飯能市大字飯能
– 駐車料金:無料
– 設備:トイレ、水道(夏季のみ一部開放)
– 営業時間:24時間駐車可能
7. 川越近郊(県営公園駐車場)
川越は、江戸情緒が残る観光地として知られています。県営公園駐車場は複数ありますが、「川越水上公園」の駐車場が車中泊に適しています。駐車料金は1日500円で、トイレは24時間利用可能です。
川越の蔵造りの街並みは本当に美しく、妻も「昔にタイムスリップしたような気分」と言っています。ただし、観光シーズンは混雑するため、平日の利用をおすすめします。
基本情報
– 住所:埼玉県川越市大字池辺
– 駐車料金:500円/日
– 設備:トイレ、水道、売店
– 営業時間:24時間駐車可能
8. 鴻巣市周辺(道の駅こうのす)
鴻巣市は、埼玉県の北部に位置し、比較的静かなエリアです。道の駅こうのすは、駐車場が広く(約100台収容)、設備も整っています。駐車料金は無料で、24時間トイレが利用できます。
このエリアは、あまり知られていないため、混雑が少なく、穴場的な存在なんですよね。また、近くには田んぼが広がっており、朝の自然音(ウグイスや蛙の鳴き声)が心地よいです。
基本情報
– 住所:埼玉県鴻巣市袋
– 駐車料金:無料
– 設備:トイレ、水道、売店、レストラン
– 営業時間:24時間駐車可能
埼玉での車中泊で気をつけるべきマナーと注意点
季節ごとの気候対策(冬の冷え込み、夏の暑さ)
埼玉の冬は、想像以上に寒いんです。特に秩父エリアは標高が高く、夜間気温が0℃近くまで下がることもあります。私たちは以前、12月に秩父で泊まった時、車内の結露がひどく、朝方に目覚めた時は本当に驚きました。
冬の車中泊には、断熱材の施工やポータブルヒーターの使用が必須です。ただし、ガソリンヒーターは一酸化炭素中毒の危険があるため、必ず電気式を選んでください。
一方、夏は日中の気温が35℃を超えることもあります。昼間は必ず車外で活動し、夜間も窓を開けて通風を確保することが重要です。
地元の方への配慮とルール遵守
車中泊をする際、最も大切なのは、地元の方への配慮です。バックパッカー時代、私は各地で地元の方の温かいおもてなしを受けました。その経験から、私たちは常に「ここはお借りしている場所」という意識を持っています。
具体的には、駐車場内で大声を出さない、ゴミは必ず持ち帰る、夜間の照明は最小限にするといったことを心がけています。また、駐車場の管理者に一声かけるのも良いでしょう。
埼玉での車中泊を快適にする実際に使った便利グッズ
冬の暖房対策グッズ
冬の車中泊で活躍するのが、電気式のセラミックヒーターです。消費電力が大きいため、ポータブル電源(容量3000Wh以上)が必要ですが、安全性が高く、火災のリスクがありません。私たちは、Jackery製のポータブル電源を使用しており、満充電で約8時間の連続使用が可能です。
また、断熱性の高い寝袋も重要です。冬用の寝袋(温度耐性-10℃程度)を選ぶことで、ヒーターとの組み合わせで、快適な睡眠が実現できます。
夏の通風・遮光グッズ
夏の車中泊では、遮光カーテンと網戸が活躍します。私たちは、カーテンレールにカーテンを取り付け、窓に網戸を設置しました。これにより、昼間の日差しを遮りながら、夜間は通風を確保できます。
また、サーキュレーターを使用することで、車内の空気循環が改善され、より快適な環境が実現できます。
あると助かる調理・生活用品
車中泊での調理は、カセットコンロが便利です。安全性が高く、火力も十分。妻は毎朝、このコンロでコーヒーを淹れるのが日課になっています。
その他、折りたたみ式のシンクや、コンパクトな調理器具も重宝します。特に、使い捨ての食器を用意することで、洗い物を減らし、水の消費を抑えることができます。
実体験:埼玉での失敗談と学んだこと
今から2年前の春、私たちは長瀞で大失敗をしました。その日は、天気予報で雨との予報だったのですが、「大丈夫だろう」と軽く考えて、駐車場に停めました。
ところが、夜中に想像以上の大雨が降り、駐車場が冠水しかけたんですよね。焦って、急いで別の高台の駐車場に移動しました。その時、妻は「こういう時のために、天気予報を細かくチェックしないといけないんだ」と言いました。
その後、私たちは以下のルールを決めました:
1. 駐車場の標高や排水状況を事前にリサーチする
2. 雨の予報がある場合は、河川が近くにない駐車場を選ぶ
3. 天気が急変した場合のための移動計画を立てておく
この失敗から学んだことは、「計画と準備の重要性」です。バックパッカー時代は、ある程度の不測の事態は「冒険の一部」と捉えていましたが、妻との旅では、安全第一の姿勢が大切なんだと改めて認識しました。
まとめ
埼玉での車中泊は、都心からのアクセスの良さと、充実した自然が共存する、本当に素晴らしい選択肢なんですよね。秩父の紅葉、長瀞の渓谷、川越の歴史的建造物など、それぞれのエリアに独自の魅力があります。
初心者の方は、道の駅から始めて、徐々に駐車場の選択肢を広げていくことをおすすめします。また、季節ごとの気候対策と、地元の方への配慮を忘れずに。
バックパッカー時代、世界中を旅した私ですが、今は妻と一緒に、日本の隠れた魅力を発見することが何よりの喜びです。埼玉での車中泊を通じて、皆さんも同じような喜びを感じていただければ幸いです。ぜひ、埼玉で素晴らしい思い出を作ってください。

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