【道の駅 朝霧高原】車中泊ガイド|バックドアを開けたら富士山、を実現する一晩の動き方

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富士山の西麓、標高およそ900m。国道139号を走っていると、視界の右側にずっと富士山がいて、その途中にこの駅は現れます。車中泊好きのあいだで語られるこの駅の魅力を一言でいえば、「バックドアを開けたら、正面に富士山」。ただしそれは、停める場所と向きを正しく選んだ人だけが見られる景色です。

そしてもう一つ。駅名の「朝霧」は風景の名前であると同時に、ここで泊まる人への予告でもあります。この記事では、到着から霧の朝まで、一晩の流れに沿って案内します。

道の駅 朝霧高原とは?30秒で理解する

項目 内容
所在地 静岡県富士宮市根原字宝山492-14(国道139号沿い)
電話 0544-52-2230
営業時間 売店・食堂はおおむね10:00〜16:00台(季節変動あり・要公式確認)
駐車場 普通車72台・大型11台ほか、複数エリアに分散、24時間無料
標高 約900m(平地より気温が5℃前後低い)
温泉 隣接なし。最寄りは「あさぎり温泉 風の湯」約11km・車15分
24時間トイレ あり(2ヶ所、夜間も照明・ゴミ箱あり)
車中泊適性 ◯ 絶景型の好スポット(駐車位置の見極めが前提)

開駅は2000年。アニメ「ゆるキャン△」でなでしこが立ち寄った道の駅のモデル地としても知られ、周囲は本栖湖、ふもとっぱら、田貫湖と、キャンプの聖地が並ぶ一帯です。富士五湖エリアでは貴重な「24時間無料で停められる場所」として、車中泊の利用報告が非常に多い駅でもあります。

行く前に決めておくこと

この駅の計画で最初に効いてくるのは、「温泉が隣にない」という事実です。

最寄りの湯は「あさぎり温泉 風の湯」で、約11km・車15分。火曜定休、夜間(17時以降)は大人700円です。遠くはありませんが、「着いてから歩いて温泉」はできません。おすすめは、道中で風呂を済ませてから入る動線です。富士宮側から上がってくるなら風の湯に寄ってから北上、河口湖側から来るなら向こうで入ってから139号を南下する。風呂上がりに15分走るだけで、あとは朝まで車を動かさずに済みます。

次に服装と寝具。標高900mの夜は、平地の感覚を一段裏切ります。5月の連休に「寒くて参った」という報告が出る場所です。夏は天然の避暑地として最高ですが、春と秋は冬装備寄りに、そして真冬は雪と路面凍結で店が開かない日すらあることを覚えておいてください。冬に行くならスタッドレスは議論の余地なしです。

最後に食料。売店も食堂も16時台には閉まります。夕食をここで賄う計画は立てられません。買い出しは139号沿いのコンビニで——このあたりのコンビニは、キャンプの聖地らしく薪まで売っています。

着いたら最初の10分|停めるのは第2駐車場、向きは富士山へ

駐車エリアは大きく4つあります。そして、この駅の快適さはほぼここで決まります。

  • 第1駐車場(施設横): 便利だが傾斜のある区画が多い。フラットなのは電光掲示板付近の10台ほどで、ここは常に争奪戦
  • 第2駐車場(奥側): 傾斜が少なく、国道とトラックの動線から距離が取れて静か。車中泊ならここの一択
  • 道路向かいの未舗装駐車場: 比較的フラット、24時間無料
  • あさぎりフードパーク側: 夕方16時半頃に閉門。知らずに停めると、翌朝まで車を出せなくなります

第2を選ぶ理由はもう一つあります。ここは富士山に向かって後ろ向きに停められる配置なんです。つまり、バックドアを開けた瞬間、額縁の中に富士山が収まる。リードに書いた「バックドアを開けたら富士山」は、第2駐車場で車の向きまで決めた人だけのものです。絶景型の駅では、駐車は場所選びというより「向き」選びです。寝てしまえばどこでも同じ、ではありません。起きた瞬間から違います。

傾斜の確認も停める前に。体は正直で、頭が少しでも低いと夜中に必ず気づきます。サイドブレーキを引く前に、一度車内で横になってみるくらいの慎重さで、ちょうどいい場所です。

暗くなる前に済ませること(〜16時台)

車中泊で叶える、理想の暮らし

寝床と向きが決まったら、閉店までの時間は意外と短いので、先に売店へ。

ここは酪農地帯のど真ん中で、棚の主役は地元の乳製品と高原野菜です。夏なら朝どりのとうもろこし、定番は濃厚なソフトクリーム。食堂では地元銘柄豚の定食も食べられます。周辺のキャンプ場へ向かう人たちが食材をここで仕入れていくので、夕方には棚が薄くなっていることもあります。

それから、施設裏手の小高い展望台へ。富士山頂までの直線距離はわずか13.7km。手前に高い建物が何もなく、裾野まで遮るもののない富士山が見られます。陽が傾くにつれて山肌の色が変わっていくので、時間に余裕があれば夕暮れまで粘る価値があります。

夕方から夜|139号のトラックと、標高900mの冷気

日が落ちると、この駅は静かな高原に戻ります。気をつけるべきは音と寒さの2つです。

音の正体は、敷地の前を走る国道139号のトラックです。富士宮と河口湖を結ぶ幹線なので、夜間も物流の車が通ります。ただ、これは第2駐車場を選んだ時点で大半が解決しています。国道から物理的に距離があるため、ゴールデンウィークの満車状態で泊まった人からも「騒音に悩まされず眠れた」という報告が出ているほどです。第1の国道寄りとは体感がまるで違います。

寒さは、装備さえ合っていればむしろご褒美です。夏の夜は窓を少し開ければ天然のクーラーで、平地の熱帯夜から逃げてくる利用者もいます。春秋は寝袋を一段階暖かいものに。トイレは第1側と第2側の2ヶ所にあり、夜間も照明が点いていて、ゴミ箱も24時間使えます。深夜のトイレが不気味、という心配はこの駅には当てはまりません。

寝る前に、空を一度見上げてください。標高900mの高原は、晴れていれば星の数が平地と違います。

朝|霧がほどけて、富士山が現れる

駅名の意味を体で知るのは、たいてい朝です。

このあたりの霧は本当に唐突で、じゃらんの口コミにも「あっという間に濃霧。恐るべし朝霧高原」という一文が残っています。朝、窓の外が真っ白でも慌てないでください。霧は朝のうちにほどけていき、その向こうから富士山が現れる——この移り変わりこそ、この駅に泊まった人だけが見られる演目です。最初の10分で決めたバックドアの向きが、ここで報われます。ドアを開けて、コーヒーを淹れて、額縁の中の富士山が霧から抜けてくるのを待つ。早起きの価値しかありません。

朝霧が晴れたら、動線は選び放題です。北へ7km・10分で本栖湖(千円札の富士山の湖)、南へ10分でふもとっぱらキャンプ場と朝霧アリーナ、富士宮方面へ下れば白糸の滝(駐車場500円)と富士山本宮浅間大社。売店は10時開店なので、野菜を積んでから出たい人は一服しながら開店を待つのもいい時間です。

ここが合わないなら

正直に書きます。合わない人は、はっきりしています。

「温泉まで徒歩」が譲れない人。 湯まで11kmは、この駅の唯一にして最大の弱点です。風呂直結が条件なら、同じ静岡県内なら掛川など温浴施設の近い駅を選ぶほうが満足度は高いはずです。

真冬に雪道の経験がない人。 凍結と積雪は、ここでは天気予報ではなく前提条件です。冬季は無理をしないでください。

週末の遅着で、第2が埋まっていた場合に妥協できない人。 第1の傾斜区画で寝られるかどうかは、人によります。傾斜に敏感な自覚があるなら、週末は明るいうちの到着を死守してください。

逆に言えば——夏の避暑、富士山の絶景、星と朝霧。この3つのどれかに心が動くなら、ここは富士山麓で最初に候補に入れていい駅です。バックドアの向きだけ、忘れずに。

基本情報

  • 住所: 静岡県富士宮市根原字宝山492-14
  • 電話: 0544-52-2230
  • 営業時間: 売店・食堂 10:00〜16:00台(季節変動あり、公式サイトで要確認)/駐車場・トイレ24時間
  • 駐車場: 普通車72台・大型11台ほか、無料(フードパーク側は夕方閉門)
  • 最寄り温泉: あさぎり温泉 風の湯(約11km・車15分、火曜定休、夜間大人700円)
  • 公式サイト: https://www.asagiri-kogen.com/
  • アクセス: 新東名 新富士ICから国道139号を北上約35分/河口湖方面から139号を南下

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