房総半島を南へ走り、富浦ICを降りて3分。「全国道の駅グランプリ2000」最優秀賞を受けた枇杷倶楽部が見えてきます。皇室献上品の房州びわを使った名物スイーツ、花摘み体験、おしゃれなカフェ——日中の魅力は折り紙付きの駅です。
ただし、車中泊スポットとしての評価は、2025〜2026年のリニューアルで大きく変わりました。 かつて車中泊に最適だった平坦な駐車スペースが新しいマルシェ棟の建設で消え、向かいにあった入浴施設も2020年に閉館しています。この記事では、リニューアル後の現実を踏まえたうえで、それでもここに泊まりたい人のための一晩の動き方を案内します。
道の駅 とみうら 枇杷倶楽部とは?30秒で理解する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県南房総市富浦町青木123-1 |
| 電話 | 0470-33-4611 |
| 営業時間 | 直売所 9:15〜17:00/カフェ・ショップ 9:15〜17:00頃 |
| 定休日 | 無休 |
| 駐車場 | 普通車65台・大型15台・身障者4台(複数エリアに分散、傾斜あり注意) |
| 温泉 | 隣接なし(旧入浴施設は2020年閉館)。最寄りは南房総市内の日帰り温泉 |
| 24時間トイレ | あり(屋内・屋外の2ヶ所) |
| 車中泊適性 | △ 条件付き(駐車場の傾斜と収容台数の少なさに注意) |
2000年の全国道の駅グランプリ最優秀賞。2025年にマルシェ棟増築、2026年3月にカフェ・ショップの大規模改装が完了してリニューアルオープン。施設としての魅力は年々増していますが、車中泊目線では「以前あった平坦なスペースが建物に変わった」というのが正直な現状です。
行く前に決めておくこと
この駅に泊まると決めたなら、最初に確認すべきは駐車場の構造です。
2024年まで、施設の裏手にフラットで24時間トイレに近い駐車スペース(10台程度)がありました。車中泊利用者に愛されていた場所ですが、2025年のマルシェ棟増築でこの区画が消滅しています。残っている駐車場は施設正面のエリアですが、傾斜があります。車中泊旅行家の稲垣朝則氏も2026年の記事で「ベスト車中泊スペースは消滅した」「車中泊環境は年々悪化」と評しています。
つまり、ここは「泊まれるか泊まれないか」ではなく「傾斜を受け入れられるかどうか」で判断する駅に変わりました。傾斜に敏感な人は、正直に別の駅を選んでください。南房総エリアには他の道の駅もあります。
入浴。 道路向かいにあった「とみうら元気倶楽部」の入浴施設は2020年9月に閉館しています。南房総市内の日帰り温泉か、館山方面の入浴施設を事前に調べておいてください。到着前に入浴を済ませるのが鉄則です。
アクセス。 富浦ICから車3分。東京駅・新宿駅からの高速バスが枇杷倶楽部前に停まるほどアクセスは良好です。
食料。 売店は17時閉店。夜着の場合は途中のコンビニで調達を。
着いたら最初の10分|傾斜の少ない区画を探す
到着したら、すぐに車を停めず、まず駐車場を一周してください。
正面駐車場のなかでも、傾斜の度合いは区画によって違います。できるだけフラットな場所を見つけて、停める前に車内で横になって確認するくらいの慎重さが必要です。頭が低い側に傾いていると、夜中に必ず不快感で目が覚めます。
屋外トイレの位置も確認しておいてください。夜間はこちらが頼りになります。
暗くなる前に済ませること(〜17時)
寝床の不安を片付けたら、ここからは枇杷の里の楽しみ方です。
この駅の主役は房州びわ。枇杷倶楽部オリジナルのびわソフトクリームは皇室献上品のびわを使った看板商品で、来るたびに食べるリピーターがいるほどの人気です。2026年のリニューアルで新たに登場した「とみうらコッペ」は、ビワの葉の粉末で作ったパンに地域の食材を挟んだオリジナルドッグ。オリジナルビワカレーも進化版が出ています。
2025年10月に先行オープンしたマルシェ棟には、農産物直売スペースが拡張され、地元農家の出荷数も増えています。南房総の野菜、花、海産物が揃い、買い物だけでも立ち寄る価値があります。
1月〜5月はいちご狩り、5月〜6月はびわ狩りのシーズン。周辺の花畑では2〜3月に菜の花が一面に広がります。
夕方から夜|静かだが、暗い
日が落ちると、この駅の周辺は穏やかに暗くなります。
幹線道路の騒音はほとんどなく、夜の駐車場は静かです。大型トラックが集まるタイプの駅ではないので、エンジンの重低音に悩まされることもまずありません。「夜間の騒音は少ない」という評価は複数のサイトで一致しています。
ただし、施設が閉まった後は暗さが際立ちます。人気(ひとけ)も少なくなるので、一人旅の場合はやや心細いかもしれません。トイレは24時間使えますが、照明の状況は事前に確認を。
自販機はありますが、深夜に何かを調達する手段はそれだけです。食料と飲み物は閉店前に揃えておいてください。
朝|南房総の花と海へ、車で10分圏内
この駅の朝は、南房総の観光の出発点です。
売店は9時15分オープン。朝の品出しされたばかりの地場野菜と花、そしてびわ関連商品を積み込んでから出発できます。
動線は海へ。原岡桟橋(通称「岡本桟橋」)まで車10分。海に向かって延びる木製の桟橋は、夕日の名所として有名ですが朝の静けさもまた格別です。館山城まで車20分、野島崎灯台(房総半島最南端)まで車30分。南房総をぐるりと回る旅の拠点として、この駅の立地は申し分ありません。
ここが合わないなら
この駅は正直な話、2026年現在、車中泊の第一候補としてはすすめにくい状態です。
傾斜が許容できない人。 平坦な駐車スペースがリニューアルで消えた以上、この問題は構造的です。
入浴施設が近くにないと困る人。 隣の元気倶楽部は閉館済み。代替の温泉は車で移動が必要です。
駐車台数が少ない。 普通車65台は道の駅としては小規模で、休日の夕方は満車になることもあります。
南房総エリアで車中泊を考えるなら、他の道の駅も視野に入れたうえで、この駅は「日中に立ち寄って存分に楽しみ、泊まりは別の場所で」という使い方のほうが現状では満足度が高いかもしれません。それでもここに泊まりたいなら——枇杷ソフトと南房総の静かな夜は、傾斜を受け入れた人だけのものです。
基本情報
- 住所: 千葉県南房総市富浦町青木123-1
- 電話: 0470-33-4611
- 営業時間: 直売所・カフェ 9:15〜17:00/駐車場・トイレ24時間
- 定休日: 無休
- 駐車場: 普通車65台・大型15台、無料(傾斜区画あり注意)
- 入浴: 隣接なし(旧元気倶楽部は2020年閉館)
- 公式サイト: https://www.biwakurabu.jp/
- アクセス: 富浦ICから車3分




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