妻と二人で車中泊を始めて3年が経ちました。バックパッカー時代は地べたに座って食べることも多かったのですが、今は違います。限られたミニバンの空間だからこそ、テーブル一つで生活の質がガラッと変わることを実感しているんですよね。この記事では、私たちが試行錯誤の末にたどり着いた、車中泊テーブル選びの極意をお伝えしたいと思います。
車中泊でテーブルが必要な理由
限られた空間を有効活用するために
車中泊での生活空間は、本当に限られています。我が家のミニバンは室内長が約2.5メートル、幅が約1.6メートル。この狭い空間で食事をしたり、本を読んだり、パソコンで写真を整理したりするわけです。テーブルがないと、膝の上に食器を置いたり、シートの上に物を散らかしたりしてしまいます。
テーブルがあると、その上に限定された領域ができるんです。そこが「食事エリア」「作業エリア」となることで、心理的にも物理的にも空間が整理されます。昨年の9月、長野県の野辺山高原で過ごした3日間、テーブルなしで過ごしてみたことがあるんですよ。いやはや、驚きました。2日目には車内がカオス状態になってしまい、妻から「やっぱりテーブル必要ですね」と言われてしまいました(笑)。
食事の質が変わる心理的な効果
これは予想外だったのですが、テーブルで食べるのと、シートに座ったまま食べるのでは、食事の満足度が大きく異なります。地べたに座っていた若き日のバックパッカー時代は、どこで何を食べるかが重要でした。でも今は、「どのように食べるか」が大切になってきたんです。
テーブルの上に朝食を並べて、妻と向き合いながら食べる。これって、実は高級レストランと同じくらい大切な時間なんです。簡単なパンとコーヒーでも、テーブルがあると「朝食」になります。テーブルがないと「食べ物を口に入れる」だけになってしまうんですよね。
日中の過ごし方が充実する
雨の日や、立ち寄った道の駅で長く滞在する時、テーブルがあるとないとでは過ごし方が全く異なります。テーブルがあれば、そこでパソコンを開いて記事を書いたり、地図を広げて次の目的地を計画したり、トランプをしたり。テーブルという「作業空間」があることで、車中泊が単なる「寝泊まりの場所」から「生活空間」へと進化するんです。
車中泊向けテーブルの種類と特徴
折りたたみ式テーブル
最も一般的で、手に入れやすいのが折りたたみ式のテーブルです。ホームセンターやアウトドア用品店で、2,000円から8,000円程度で購入できます。我が家も最初に選んだのはこのタイプでした。
メリットは、何といっても収納性です。使わない時は薄く折りたためるため、車内の限られた収納スペースに無理なく収まります。また、脚を調整できるものが多いので、多少凹凸のある場所でも安定させやすいんです。
デメリットとしては、安定性が若干劣ることと、使用頻度が高いと脚の接合部が緩みやすいという点があります。私たちも最初に買った折りたたみテーブルは、1年半で脚がガタガタになってしまいました。
ロータイプ(座卓)のテーブル
座卓タイプのテーブルは、高さが30センチ程度と低めに設計されています。車中泊では、シートに座った状態で食事をすることが多いため、このロータイプは非常に相性が良いんです。
高さが低いため、安定性に優れており、転倒のリスクが少ないのが大きなメリットです。また、車内の視界を妨げにくいという利点もあります。価格帯は3,000円から10,000円程度と、折りたたみ式と大きな差はありません。
ただし、折りたたみ式よりも収納時のサイズが大きくなるため、収納スペースの確保が課題になることがあります。我が家のミニバンでは、シートの下に横向きで収納するしか方法がありませんでした。
マグネット式・吸盤式の壁付けテーブル
これは、車内の壁面や天井に取り付けるタイプのテーブルです。使わない時は完全に壁に密着するため、床スペースを占有しません。価格は5,000円から15,000円程度と、やや高めです。
メリットは、床面積を一切使わないという点と、使いたい時にサッと広げられる利便性です。ただし、取り付け方によっては車内の構造に傷をつけてしまう可能性があるため、賃貸の軽自動車やレンタカーでの使用には向きません。
DIYで作る自作テーブル
これは、本当に素晴らしい選択肢です。ホームセンターで材料を揃えれば、オリジナルのテーブルが作れるんです。我が家も2年目から自作テーブルを使用しており、これほど満足度の高い買い物(というか製作)はありません。
詳しくは後ほど述べますが、自分たちの車内サイズに合わせて、必要な機能を盛り込んだテーブルが作れるというのは、本当に素晴らしいんですよね。
車中泊テーブル選びの3つのポイント
サイズ選びで失敗しない方法
これが最も重要なポイントです。実は、我が家は最初、サイズ選びで大失敗をしました。購入したテーブルが思ったより大きく、広げた時に車内がほぼ完全に塞がってしまったんです。2019年の8月、富山県の氷見市で過ごした時、その失敗が明らかになりました。
テーブルを広げると、妻が移動できないほどの状態に。その時、私たちは重要な学習をしたんです。テーブルのサイズは、「広げた時に、人間が快適に移動できるスペースが残るサイズ」を選ぶべきなのです。
具体的には、ミニバンの場合、60センチ×40センチ程度が目安になります。これより大きいと、使用時に圧迫感を感じます。これより小さいと、食事をするのに不便です。購入前には、必ず自分たちの車内寸法を測り、テーブルを広げた時のシミュレーションをすることをお勧めします。
素材選びで長く使うコツ
テーブルの素材は、主に木製とアルミニウム製に分かれます。木製は温かみがあり、見た目も良いのですが、湿度の影響を受けやすく、車内で膨張・収縮することがあります。
アルミニウム製は軽量で、湿度の影響を受けにくいというメリットがあります。ただし、見た目が冷たい印象になることがあります。我が家は現在、表面が木目調のアルミニウムテーブルを使用しており、これが最高のバランスだと感じています。
また、テーブルの脚の接合部に注目してください。ここが緩みやすい場所です。できれば、ネジで調整できるタイプ、または溶接されているタイプを選ぶことをお勧めします。
収納性と安定性のバランス
「収納性を重視すれば、安定性が落ちる」「安定性を重視すれば、収納性が落ちる」という、永遠のジレンマがあるんですよね。
我が家は、最終的に「安定性を優先する」という判断をしました。理由は、食事中にテーブルが揺れると、本当にストレスになるからです。特に、コーヒーを飲んでいる時に揺れると、こぼす危険があります。
収納性については、車内の工夫で対応することにしました。具体的には、シート下に専用の収納ボックスを作り、そこにテーブルを保管するようにしたんです。
実際に使ってみた!おすすめテーブル活用法
我が家が選んだテーブルと理由
現在、我が家が使用しているのは、ホームセンターで購入した材料を使って自作した、木目調のアルミニウムフレームテーブルです。サイズは60センチ×45センチ、高さは30センチです。
選んだ理由は、シンプルです。ミニバンのシートに座った時の目線の高さが、ちょうど30センチだからです。これにより、食事をする時に、妻の顔を見ながら話ができるんです。
このテーブルの最大の特徴は、脚が四つ折りできるという点です。使わない時は、厚さ8センチ程度に折りたたむことができ、シート下の限られたスペースに無理なく収納できます。
朝食時の使い方と工夫
朝食時は、本当にこのテーブルの出番なんです。毎朝、妻と二人で朝日を眺めながら、テーブルの上で朝食を取ります。メニューは、その日の気分で決めるのですが、大体は以下のような流れです。
まず、テーブルを広げて、その上に朝食の準備をします。パン、チーズ、ハム、野菜、コーヒーなどを並べます。これらを並べる時に、テーブルの上に「朝食スペース」が生まれるんです。
工夫としては、テーブルの上に、小さなランチョンマットを敷くことです。これにより、テーブルの傷を防ぐことができ、また、食事エリアが視覚的に明確になります。
雨の日の過ごし方が変わった体験談
昨年の6月、岐阜県の白川郷で過ごした時のことです。朝から雨が降っていて、外に出られない状態でした。テーブルがなかったら、その日は本当に退屈だったと思います。
でも、テーブルがあったので、妻と二人で、そこでトランプをしたり、パズルをしたり、本を読んだりすることができました。テーブルの上に、湯気の立つコーヒーを置きながら、雨音を聞く。これって、本当に贅沢な時間なんです。
その日、私たちは気づいたんです。「テーブルは、単なる食事道具ではなく、車中泊の質を大きく左右する、重要なアイテムなんだ」ということを。
初心者向け!失敗しない購入ガイド
予算別のテーブル選択肢
予算2,000円~3,000円の場合
ホームセンターの折りたたみテーブルが該当します。最もリーズナブルで、初心者向けです。ただし、耐久性には期待しない方が良いでしょう。1年程度の使用を想定した、試験的な購入に適しています。
予算4,000円~6,000円の場合
ここまでくると、ロータイプのテーブルや、やや質の良い折りたたみ式テーブルが選べます。この価格帯であれば、1~2年は問題なく使用できるでしょう。
予算7,000円~10,000円の場合
アウトドア用品メーカーの本格的なテーブルが購入できます。耐久性も高く、長期間の使用に耐えられます。我が家も、自作する前はこの価格帯のテーブルを使用していました。
予算10,000円以上の場合
壁付けテーブルや、高級アウトドア用品メーカーのテーブルが選べます。ただし、車中泊の初心者には、必ずしも必要ではないと思います。
買う前に確認すべき寸法チェックリスト
テーブル購入前に、必ず以下の寸法を測定してください。
□ 車内の幅
テーブルを広げた時に、両脇にどの程度のスペースが残るかを確認します。目安は、両側に15センチ以上のスペースが残ることです。
□ 車内の奥行き
テーブルを広げた時に、前後にどの程度のスペースが残るかを確認します。特に、運転席側を確認することが重要です。
□ シートの高さ
テーブルの高さが、シートに座った時の膝の高さと合致しているかを確認します。理想的には、膝の高さ+5~10センチ程度が目安です。
□ 収納スペースの寸法
テーブルを折りたたんだ時のサイズを、収納予定スペースの寸法と比較します。必ず、余裕を持った寸法を確認してください。
実際の購入先と相場感
テーブルの購入先としては、以下のようなところがあります。
ホームセンター(カインズ、コーナン、ナフコなど)
最も手軽で、実物を見て購入できます。折りたたみ式やロータイプが2,000円~8,000円程度で購入できます。
アウトドア用品店(モンベル、スノーピークなど)
品質が高く、アフターサービスも充実しています。ただし、価格は割高です。8,000円~15,000円程度が相場です。
オンラインストア(Amazon、楽天など)
選択肢が豊富で、レビューを参考にして購入できます。価格も比較的リーズナブルです。ただし、実物を見ることができないため、寸法確認が重要です。
ネットオークション、フリマアプリ
中古のテーブルが、定価の50~70%程度で購入できることがあります。ただし、状態の確認が難しいため、信頼できる出品者から購入することをお勧めします。
車中泊テーブルのDIY案
100均アイテムで作る簡易テーブル
本当に驚くかもしれませんが、100均アイテムだけで、簡易的なテーブルが作れるんです。
必要な材料
– 木製のまな板(100円)×2枚
– L字金具(100円)×4個
– ネジ(100円)×1パック
– ドライバー(既にあれば不要)
作り方
1. まな板2枚を、L字金具で固定します。
2. 高さ調整のため、まな板の下に、ゴム脚(これも100均で購入可能)を取り付けます。
3. 完成です。
総費用は約400~500円で、簡易的なテーブルが完成します。これは、本当に試験的な購入に最適です。
ホームセンター材料で作る本格テーブル
我が家が実際に作ったテーブルは、以下の材料で作成しました。
必要な材料
– アルミニウムフレーム(1,500円程度)
– 合板(600円程度)
– L字金具(800円程度)
– ネジ、ボルト等(500円程度)
– 塗料(800円程度)
総費用:約5,000円
作り方
1. 合板を、希望のサイズ(60cm×45cm)にカットします。ホームセンターのカットサービスを利用すれば、正確です(通常1カット100円程度)。
2. 合板の表面に、木目調のシートを貼ります。
3. アルミニウムフレームを、四つ折りできるように加工します。この部分は、ホームセンターの工作室で相談することをお勧めします。
4. 合板とフレームを、L字金具で固定します。
5. 塗料で、仕上げを行います。
このテーブルは、本当に丈夫で、3年以上使用しても、全く問題ありません。
我が家の失敗から学ぶDIYのコツ
実は、我が家も最初のDIY時に、大失敗をしています。最初に作ったテーブルは、脚の接合部の設計が甘く、1ヶ月で脚がグラグラになってしまいました。
その時、我々は学んだんです。「DIYの場合、接合部の強度が最も重要である」ということを。
2回目のテーブル製作では、接合部に複数のネジを使用し、さらにボルトで補強することにしました。これにより、3年使用しても、全く問題のないテーブルが完成したんです。
DIYでテーブルを作る場合のコツは、以下の通りです。
□ 接合部は、複数のネジで固定する
1つのネジだけでは不十分です。最低でも3~4個のネジを使用してください。
□ 定期的に、ネジの緩みをチェックする
月に1回程度、全てのネジが緩んでいないか確認してください。
□ 脚の長さは、調整可能にする
車内の凹凸に対応するため、脚の長さを調整できるようにすることをお勧めします。
□ 重量は、できるだけ軽くする
頻繁に出し入れするため、軽いことは重要です。アルミニウムや軽い合板を使用することをお勧めします。
まとめ
車中泊でのテーブルは、単なる食事道具ではなく、限られた車内空間を「生活空間」へと進化させる、重要なアイテムです。我が家も、テーブル選びを通じて、多くのことを学びました。
最初は予算2,000円程度のテーブルから始めて、自分たちのニーズを理解した上で、DIYで本格的なテーブルを作る。このような段階的なアプローチが、最も失敗が少ないと思います。
何より大切なのは、「自分たちの車内空間に合った、自分たちが本当に使いやすいテーブルを選ぶ」ということです。高価なテーブルが、必ずしも最適とは限りません。我が家が現在使用しているテーブルは、わずか5,000円の材料で作った、DIY製品です。でも、これ以上に満足度の高いテーブルはありません。
皆さんも、自分たちの車中泊スタイルに合った、最適なテーブルを見つけてください。そうすれば、車中泊の時間がさらに充実し、妻との時間がさらに大切になるはずです。

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