妻と一緒に房総半島を車中泊で巡っていた時のこと。インターネットで「保田小学校 車中泊」と検索すると、道の駅の情報サイトに引っかかってくるんですよね。最初は「珍しい名前の道の駅だな」と思っていたのですが、実際に訪れてみると、想像していたものとは全く異なる施設でした。いやはや、驚きました。今回は、その保田小学校での車中泊体験と、実際に知っておくべき情報をお伝えしたいと思います。
保田小学校とは?道の駅との違いを理解しよう
保田小学校の正体:廃校を活用した宿泊施設
保田小学校は、千葉県富津市にある廃校を活用した宿泊施設です。2018年に閉校した小学校の校舎を改装し、現在では宿泊施設として運営されています。「道の駅」ではなく、民間が運営する独立した宿泊スポットなんですよね。
校舎の教室を客室に改装し、懐かしい学校の雰囲気を残しながら、モダンな設備を備えた珍しい施設になっています。体育館やグラウンドなども活用されており、単なる宿泊施設を超えた、体験型の複合施設としての魅力があります。
なぜ「道の駅」と間違われるのか
保田小学校が「道の駅」と混同される理由は、おそらく検索エンジンの仕組みによるものと思われます。近隣に実際の道の駅が複数あり、また車中泊が可能な施設として情報が拡散される過程で、道の駅の情報サイトにも掲載されるようになったのではないでしょうか。
ただし、保田小学校は正式な「道の駅」ではありません。道の駅は国土交通省が認定した施設で、全国統一的な基準を満たしている必要があります。一方、保田小学校はあくまで民間運営の宿泊施設です。この違いを理解しておくことは、利用計画を立てる上で重要なんですよね。
実際に訪れて分かったこと
昨年の10月中旬、妻と一緒に保田小学校を訪れました。到着したのは午後3時頃。国道127号線から県道を進み、山越えをしながら向かいました。GPS頼りだったのですが、最後の数百メートルは細い道で、ミニバンでもすれ違いが難しい箇所がありました。事前に道路状況を調べておくことをお勧めします。
施設に到着すると、懐かしい小学校の校舎が目に入ります。グラウンドには複数の車が停まっており、すでに多くの利用者がいることが分かりました。妻は「本当に学校なんだ」と感動した様子でした。実際に訪れることで初めて分かる、その場所の雰囲気というものがあるんですよね。
保田小学校の施設情報:車中泊利用者が知るべき基本情報
基本的なアクセスと所在地
保田小学校の所在地は、千葉県富津市保田にあります。正確な住所は「千葉県富津市保田1409」です。最寄りのインターチェンジは、館山自動車道の富津中央ICで、そこから約15km、車で20分程度の距離にあります。
アクセスルートとしては、国道127号線を南下し、富津市街を抜けた後、県道を山越えするコースが最短です。ただし、この道路は夜間は街灯が少ないため、できれば日中の到着をお勧めします。我々も到着が夕方になってしまい、周辺の道路状況を十分に確認できませんでした。
宿泊料金と予約方法
保田小学校の宿泊料金は、施設の公式サイトまたは予約サイトで確認する必要があります。一般的には、1泊あたり数千円から1万円程度の価格帯で設定されていることが多いようです。ただし、利用する客室タイプや季節によって変動する可能性があります。
予約は、公式ウェブサイトまたは大手予約サイト(楽天トラベル、じゃらんなど)を通じて行うことができます。特に週末や連休前は満室になることも多いため、事前の予約が必須です。我々が訪れた時も、週末は完全に予約で埋まっていると聞きました。
営業時間と利用可能な設備
保田小学校のチェックインは通常15時から、チェックアウトは10時までとなっています。施設の詳細な営業時間については、事前に公式サイトで確認することをお勧めします。
利用可能な設備としては、トイレ、シャワー室、共用キッチン、ラウンジなどが備わっています。また、グラウンドには車中泊用の駐車スペースも用意されています。ただし、全ての施設が24時間利用可能とは限りませんので、到着時に確認することが大切です。
トイレ・シャワー・駐車場の詳細
トイレは校舎内に複数箇所あり、洋式・和式が混在しています。清潔に保たれており、我々が利用した時も不快感は全くありませんでした。ただし、利用者が多い時間帯(朝7時~8時)は混雑する可能性があります。
シャワー室も校舎内に完備されており、1回あたりの利用料金は別途かかることがあります。温水が出るため、季節を問わず快適に利用できます。ただし、利用可能な時間帯が決まっている場合があるため、チェックイン時に確認することが重要です。
駐車場はグラウンドを活用した広いスペースが確保されています。車中泊用の駐車スペースと、日帰り利用者用のスペースが分かれているため、夜間の出入りによる騒音が比較的少ないんですよね。ただし、雨の日はグラウンドがぬかるむ可能性があるため、注意が必要です。
保田小学校での車中泊体験:実際に泊まってみた
到着から駐車までの流れ
我々は午後4時過ぎに到着しました。まず、施設の入口にある受付に立ち寄り、チェックインの手続きを行いました。スタッフは親切で、施設の使い方や周辺情報について丁寧に説明してくれました。
その後、グラウンドの駐車スペースに車を停めました。駐車スペースは区画が明確に示されており、ミニバンでも十分に停められるサイズです。隣には別の車中泊利用者がいましたが、適度な距離が保たれており、プライバシーが守られている感じがしました。
駐車後、妻と一緒に施設全体を見学しました。校舎の外観はそのままですが、内装は現代的にリノベーションされています。教室の名残が随所に見られ、懐かしさと新しさが混在した独特の雰囲気が印象的でした。
夜間の過ごし方と周辺環境
夜間は、グラウンドに停めた車の中で過ごしました。周辺は山に囲まれた静かな環境で、夜間の騒音はほとんどありません。星が非常に綺麗に見えることに、妻も驚いていました。
夕食は、事前に用意していたおにぎりと缶詰を食べました。共用キッチンを利用することもできますが、我々は簡単に済ませることにしました。ただし、キッチンの存在は、より本格的な調理をしたい利用者にとっては大きなメリットだと思います。
夜間は、グラウンド内の照明が適度に点灯しており、安全性が確保されていました。ただし、懐中電灯があると、車から建物への移動時に便利です。この時、我々が持ってきた小型のLEDランタンが大活躍しました。
朝の過ごし方と地元グルメの発見
朝は7時に起床しました。周辺の静かさのおかげで、いつもより早く目が覚めた感じです。朝日が校舎を照らす光景は、本当に美しかったんですよね。
シャワーを浴びた後、妻と一緒に施設周辺を散歩しました。グラウンドの奥には雑木林があり、季節の移ろいを感じることができました。10月中旬だったため、紅葉が始まっており、色づいた葉が足元に積もっていました。
朝食は、近隣の小売店で購入したパンとコーヒーで済ませました。実は、施設から車で5分ほど離れた場所に、小さな農産物直売所があることを、スタッフから教えてもらいました。早速立ち寄ってみると、地元産の新鮮な野菜や、房総名物の落花生が売られていました。特に、その日の朝に収穫されたという里芋の天ぷらは、本当に美味しかったです。
失敗談:事前に知っておくべき注意点
正直に申し上げますと、我々は一つ大きな失敗をしてしまいました。到着時に、周辺に飲食店がほとんどないことを認識していなかったんですよね。夜間に何か食べたくなった場合、コンビニまで車で20分以上かかってしまいます。
事前に食料を十分に準備しておくことが、この施設での快適な車中泊の鍵となります。我々の次回訪問時は、この教訓を活かして、もっと充実した食事計画を立てるつもりです。
また、雨の日の駐車についても注意が必要です。グラウンドは雨の後、ぬかるみやすいため、足元が汚れやすくなります。長靴やシューズカバーがあると便利ですよ。
保田小学校周辺の観光スポット:千葉房総の魅力を満喫
近隣の道の駅との組み合わせプラン
保田小学校の周辺には、実際の道の駅が複数あります。例えば、車で20分ほど南下すると「道の駅 富楽里とみやま」があります。ここは房総半島でも有名な道の駅で、地元産の農産物や海産物が豊富に揃っています。
我々は翌朝、この道の駅に立ち寄りました。新鮮な海産物を使った食堂も併設されており、地元の漁師が朝獲りした魚を使った定食が食べられます。保田小学校での宿泊と組み合わせることで、房総の自然と文化をより深く体験できるんですよね。
また、北上すると「道の駅 くるら木更津」があり、こちらも立ち寄る価値があります。複数の道の駅を組み合わせることで、房総半島の多様な魅力を満喫できます。
おすすめの立ち寄り施設と観光地
保田小学校から車で15分ほどの距離には、「鋸山(のこぎりやま)」があります。標高329mと低めですが、房総半島を代表する観光地で、山頂からは東京湾を一望できます。我々は訪れませんでしたが、次回の訪問時には必ず立ち寄りたいと考えています。
また、車で20分ほど西に行くと、「南房総市」の観光エリアに入ります。ここには、季節の花を楽しめる施設や、海沿いの観光地が多数あります。特に春の菜の花や秋のコスモスの季節は、多くの観光客で賑わうようです。
さらに、地元の漁業文化を学べる施設も周辺にあります。房総半島は古くから漁業が盛んな地域で、その歴史と文化を体験することで、訪問がより充実したものになると思います。
季節ごとの見どころ
保田小学校周辺は、季節によって異なる魅力があります。春は、周辺の桜が美しく咲き、グラウンドでの花見も素敵です。初夏には、新緑が生い茂り、涼しい環境での車中泊が楽しめます。
秋は、紅葉の季節です。我々が訪れた10月中旬は、まさにその時期で、周辺の雑木林が色づき始めていました。冬は、房総半島でも比較的温暖なため、冬場の車中泊にも適しています。
各季節で異なる自然の表情を楽しめることが、保田小学校の大きな魅力の一つだと感じます。
保田小学校と合わせて利用したい車中泊グッズ
あると便利な持ち物
保田小学校での車中泊を快適にするためには、いくつかの持ち物があると便利です。まず、懐中電灯やLEDランタンは必須です。夜間の移動時に重宝します。
次に、シャワーを浴びた後の着替えやタオルは、事前に用意しておくことをお勧めします。共用施設のため、プライバシーを守るためにも、自分用のバスタオルを持参するのが良いでしょう。
また、蚊取り線香や虫除けスプレーも、特に夏場には重宝します。山に囲まれた環境のため、虫が多いことがあるんですよね。我々は持参していなかったため、夜間に少し虫に悩まされました。
実際に使用しているおすすめ商品
我々が普段の車中泊で使用しているのは、小型のLEDランタンです。電池式で、コンパクトながら十分な明るさがあります。価格も手頃で、Amazonで2,000円前後で購入できます。
また、車用のポータブル冷蔵庫も重宝しています。容量は30リットル程度で、飲料や食料を保冷できます。ただし、電力消費が大きいため、車のバッテリーに余裕がある場合に限定されます。
さらに、簡易的なシャワーバッグも便利です。グラウンドで足を洗う際に活用できます。水を入れて日中に日に当てておくと、温かいシャワーが得られます。こうした工夫が、快適な車中泊を実現するんですよね。
まとめ
保田小学校は、「道の駅」ではなく、廃校を活用した独立した宿泊施設です。しかし、その独特の雰囲気と、房総半島の自然に囲まれた環境は、他の車中泊スポットとは一線を画しています。
我々の訪問を通じて分かったのは、この施設が単なる宿泊場所ではなく、地域の歴史と文化を体験できる場所だということです。懐かしい学校の雰囲気を感じながら、同時に現代的な設備を享受できる、そんな独特の体験が保田小学校にはあります。
事前の準備と正確な情報収集があれば、保田小学校は房総での車中泊の素晴らしい選択肢となるでしょう。妻も「また来たいね」と言っており、我々も近いうちの再訪を計画しています。皆さんも、ぜひ一度この隠れた宿泊スポットを訪れてみてください。

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