あしかがフラワーパークで車中泊?栃木の隠れた魅力を発見した話

妻と一緒に栃木県足利市を訪れたのは、昨年の4月中旬のことでした。バックパッカー時代に世界中の花の名所を巡った経験から、日本国内でも季節の花を愛でる旅がしたいという妻の提案で、あしかがフラワーパークを目指すことにしたんです。ただ、正直なところ「道の駅」として機能しているのか、車中泊ができるのかについて、事前情報が曖昧だったんですよね。実際に訪れて分かったことが想像以上に多かったので、その経験をお伝えしたいと思います。

あしかがフラワーパークってどんな場所?

花の名所としての特徴と季節ごとの見どころ

あしかがフラワーパークは、栃木県足利市迫間町にある大規模な花のテーマパークです。特に有名なのは、樹齢150年を超えるという藤棚で、春の藤の季節には全国から観光客が押し寄せるんですよね。私たちが訪れた4月中旬は、ちょうど藤の花が満開を迎える時期で、紫や白、ピンクの花が一面に咲き誇る光景は、いやはや、驚きました。世界中を旅してきた妻も「こんなに美しい藤は見たことがない」と感動していたほどです。

季節ごとの見どころとしては、春の藤(4月下旬~5月上旬)、初夏のバラ園(5月中旬~6月下旬)、秋のコスモス(9月中旬~10月中旬)、そして冬のイルミネーション(11月中旬~1月中旬)があります。入園料は季節によって異なりますが、通常は1,200~1,800円程度。駐車場は無料で、かなり広いのが特徴です。

車中泊スポットとしての位置づけ

ここが重要なポイントなんですが、あしかがフラワーパークは正式には「道の駅」ではなく、民営の観光施設です。つまり、公式には車中泊を推奨していないということなんですよね。ただし、駐車場が広大で24時間開放されており、実際には多くの車中泊愛好家が利用しているのが実状です。私たちも事前にSNSで情報を集め、利用しているユーザーの声を参考にした上で訪問を決めました。

ただし、これは施設側の黙認に近い状態であることを理解した上での利用が必須です。マナーを守り、ゴミを出さず、早朝に静かに移動するといった配慮が大切だと感じました。

実際に訪れて感じた、あしかがフラワーパーク周辺の車中泊環境

駐車場の状況と車中泊の可否について

到着したのは午後4時頃。駐車場は広大で、少なくとも200台以上は停められそうな規模です。私たちが訪れた4月中旬は、藤の季節ということもあり、かなりの車が停まっていました。ミニバン、キャンピングカー、軽自動車など、様々なサイズの車が混在していて、その中に私たちのミニバンもすんなり溶け込みました。

駐車場の一角には、キャンピングカー専用と思われるスペースもあり、そこには大型のキャンピングカーが5台ほど停まっていました。夜間も照明があり、セキュリティゲートこそありませんが、施設スタッフが定期的に巡回しているようです。ただし、施設側が正式に車中泊を認めているわけではないので、朝6時までには出発するなど、配慮が必要です。

トイレ・水道などの設備情報

ここで私たちが直面した最初の失敗談があるんです。駐車場にはトイレがあると聞いていたのですが、夜間(営業終了後)は施設内のトイレが利用できなくなってしまうんですよね。いやはや、これは事前に知っておくべき情報でした。

幸い、駐車場の端に24時間利用可能な簡易トイレが設置されていることが分かりました。清潔度は中程度で、ウォシュレット機能はありませんが、基本的な用途は十分果たせます。水道に関しては、営業時間内であれば施設内で利用できますが、夜間は外部からのアクセスが難しいため、事前に水を確保しておくことをお勧めします。

夜間の静かさと安全性

夜間の静かさについては、正直なところ、想像以上に良好でした。周囲は農地が多く、交通量も少ないため、夜中に大きな音がすることはほぼありません。ただし、他の車中泊者がいるため、完全な静寂ではありません。私たちは21時には就寝し、朝6時に起床するという、比較的早いスケジュールで過ごしました。

安全性に関しては、施設スタッフの巡回があることと、駐車場に複数の照明があることが心強いです。ただし、防犯カメラの有無については確認できませんでしたので、貴重品は車内に置かず、持ち運ぶか隠すかの工夫が必要だと思います。

あしかがフラワーパーク周辺で車中泊するなら知っておきたい施設・サービス

近隣の道の駅や車中泊対応施設

あしかがフラワーパークから車で約15分の距離に、正式な「道の駅 足利」があります。ここは栃木県内でも規模の大きい道の駅で、24時間トイレが利用でき、軽食や土産物も充実しています。もし駐車場での夜間トイレが心配な場合は、こちらを利用するのも一つの選択肢です。

また、足利市内には「RVパーク足利」という、車中泊対応の有料駐車施設もあります。1泊2,000円程度で、電源や給排水設備が完備されているため、より快適な環境を求める場合はこちらがお勧めです。

食事・買い物スポット

あしかがフラワーパーク内には、軽食やカフェが併設されています。営業時間は施設の営業時間に準じており、通常は9時~17時です。藤の季節には限定メニューも登場するんですよね。妻は「藤の花を眺めながら食べるソフトクリーム」に感動していました。

周辺には、コンビニエンスストア(セブンイレブン、ローソン)が複数あり、車で5分以内の距離にあります。食材の調達やお弁当の購入に便利です。また、足利市街地には地元の野菜直売所もあり、新鮮な野菜を手頃な価格で購入できます。

温泉・入浴施設

車中泊の大きな課題は、入浴設備の確保なんですよね。幸い、あしかがフラワーパークから車で約20分の距離に「足利温泉 足利の湯」という日帰り温泉施設があります。営業時間は10時~21時で、入浴料は800円。泉質はアルカリ性単純温泉で、肌がすべすべになると評判です。

私たちは翌朝、この温泉施設で汗を流してから帰路に着きました。駐車場も広く、車中泊者の利用も多いようです。

妻と一緒に楽しむ、あしかがフラワーパーク周辺の旅プラン

花を巡る日帰りコース

あしかがフラワーパークを訪れる場合、最低でも半日、できれば丸1日を確保することをお勧めします。私たちのコースは、以下の通りです。

午後4時:あしかがフラワーパーク到着・駐車
午後4時30分~6時:園内散策(藤の花を中心に撮影)
夕食:駐車場で持参した弁当を食べる
夜間:ミニバン内で就寝
朝6時:起床・簡易トイレ利用
朝7時~8時30分:再度園内散策(朝日に照らされた藤は格別です)
午前9時:足利温泉で入浴
午前11時:帰路へ

このプランなら、あしかがフラワーパークの魅力を十分に堪能でき、かつ車中泊の利点(移動時間の短縮、費用削減)も活かせます。

足利市の歴史・文化スポット

足利市は、実は歴史的に非常に重要な場所なんです。足利学校は、日本最古の学校として知られており、国指定史跡になっています。入場料は420円で、江戸時代の学舎の雰囲気を今に伝えています。

また、鑁阿寺(ばんなじ)は、足利氏の館跡に建立された古刹で、国宝の木造釈迦如来像を所蔵しています。こちらは入場無料で、四季折々の美しさが印象的です。妻は「花だけでなく、歴史も感じられるのが良い」と、足利市全体に好感を持ちました。

失敗から学んだ、春と秋の訪問時期の選び方

ここで、もう一つの失敗談を正直にお話しします。私たちが訪れた4月中旬は、確かに藤が美しい季節でしたが、同時に観光客が最も多い時期でもあったんです。駐車場も混雑し、園内も人で溢れていて、妻が「もう少し静かな時期に来たかった」とぼやいていました。

その後、秋のコスモスの季節(9月下旬~10月中旬)に再度訪れたのですが、この時期は春ほどの混雑がなく、落ち着いた雰囲気で花を楽しめました。また、気温も快適で、夜間の車中泊も過ごしやすかったです。

結論としては、春の藤は素晴らしいですが、より快適な車中泊体験を求めるなら、秋のコスモスの季節がお勧めです。

車中泊初心者が準備すべき、あしかがフラワーパーク訪問時のチェックリスト

季節別の必需品と注意点

春(4月下旬~5月上旬)訪問時:
– 薄手の上着(夜間は冷え込みます)
– 日焼け止め・帽子(日中は強い日差しがあります)
– 花粉症対策グッズ(花の多い場所のため)
– 虫よけスプレー

秋(9月下旬~10月中旬)訪問時:
– 寝袋・毛布(朝晩は冷え込みます)
– 長袖・長ズボン(虫対策)
– 懐中電灯・ランタン(夜間は暗いため)
– ウェットティッシュ・除菌シート

共通して必要なのは、ポータブルトイレット(簡易トイレ)です。駐車場の簡易トイレが不安な場合は、車内に備えておくと安心です。私たちは、アマゾンで購入した折りたたみ式の簡易トイレ(約3,000円)を常備していますが、これが本当に役立っています。

実際に役立ったDIYグッズ

車中泊を快適にするため、私たちは以下のDIYグッズを自作・改良しています。

窓用サンシェード:
100均で購入した遮光カーテンをミニバンの窓に合わせてカットし、磁石でくっつくように改造しました。費用は約500円で、夜間のプライバシー確保と朝日対策に非常に有効です。

キャンピングマット:
ホームセンターで購入した断熱材を、ミニバンのフロア寸法に合わせてカットしました。費用は約1,500円で、地面からの冷気を遮断し、快適な睡眠環境を実現しています。

ポータブル冷蔵庫用の断熱ボックス:
発泡スチロール箱に断熱材を貼り付け、冷蔵庫の保冷効率を高めました。費用は約800円で、電力消費を削減できます。

これらは、高価なキャンピングカー設備には及びませんが、工夫と手間をかけることで、十分に快適な環境を作ることができるんですよね。

まとめ

あしかがフラワーパークは、正式には道の駅ではありませんが、花の美しさ、駐車場の広さ、周辺施設の充実度を考えると、車中泊愛好家にとって非常に魅力的な場所です。春の藤、秋のコスモスと、季節ごとに異なる表情を見せてくれるこの場所は、妻と私にとって「また来たい」と思わせる数少ないスポットになりました。

ただし、施設側が正式に車中泊を認めていないことを忘れず、マナーを守り、周囲への配慮を最優先にすることが大切です。高価なキャンピングカーがなくても、ミニバンとちょっとした工夫があれば、快適な旅は十分可能です。子供たちが独立した今だからこそ、妻とゆっくりと日本中を巡る旅を楽しんでいます。あなたも、あしかがフラワーパークで、新しい旅のスタイルを発見してみませんか?

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