妻と二人で日本中を車中泊で旅するようになって、もう3年になります。これまで数十の道の駅を訪れてきましたが、富士山麓の「道の駅なるさわ」は、本当に素晴らしい発見でした。静かで、富士山の絶景が楽しめて、設備も整っている。バックパッカー時代の旅の思い出が蘇るような、そんな特別な場所なんですよね。今回は、実際に3泊した経験をもとに、この隠れた名スポットの魅力を余すところなくお伝えします。
道の駅なるさわとは?富士山麓の穴場スポット
山梨県南都留郡鳴沢村に位置する「道の駅なるさわ」は、富士山の北西麓、標高約900メートルの高さにある施設です。富士五湖の一つである西湖の近くに位置しており、富士山を間近に感じながら車中泊ができる、いやはや、本当に素晴らしい立地なんですよね。
成田湖畔に位置する立地の魅力
西湖畔に近い立地というのが、この道の駅の最大の魅力です。朝目覚めると、窓の向こうに富士山が聳え立つ。妻も「毎朝こんなに美しい景色が見られるなんて、本当に贅沢だね」と感動していました。富士山麓の他の道の駅と比べても、ここまで富士山に近い距離で、かつこれほど静かな環境というのは珍しいんです。
標高が高いため、夏でも夜間は涼しく、エアコンの稼働を最小限に抑えられるのも、ガソリン代の節約になります。若い頃、バックパッカーとしてヒマラヤの麓で野営していた時のような、自然と一体になる感覚を思い出させてくれるんですよね。
車中泊に選ばれる理由
実際のところ、道の駅なるさわが車中泊スポットとして選ばれる理由は、いくつかあります。第一に、駐車場が広く、車中泊専用と思われるスペースが確保されていること。第二に、トイレが24時間利用可能で、清潔に保たれていることです。
また、周辺に温泉施設が複数あり、入浴に困らないというのも大きなポイント。富士山麓の自然に囲まれながら、基本的な快適さが保証されている。これは、初心者から経験者まで、すべての車中泊ファンにとって理想的な条件なんですよ。
道の駅なるさわの施設情報と車中泊環境
ここからは、実際の利用情報についてお話しします。正確な情報をお伝えすることが、みなさんの安全で快適な車中泊につながると考えています。
駐車場のレイアウトと車中泊に適したエリア
駐車場は全体で約80台程度の収容能力があります。施設の構成としては、道の駅の本館(物産館やレストラン)の前に広がる駐車スペースと、奥側にある駐車エリアに分かれています。
車中泊をするなら、奥側の駐車エリアをお勧めします。ここは比較的静かで、朝日が気持ちよく入ってくる東向きの位置が多いんです。妻と私たちは、いつも奥側の西寄りのスポットを狙うんですが、夕方の富士山がきれいに見える角度なんですよね。
実は、私たちが初めて訪れた時は、知識不足で本館近くに停めてしまい、夜間の出入りの音が気になって、ほぼ眠れませんでした。いやはや、失敗しましたね。2回目からは奥側を利用するようになり、本当に快適になりました。この経験から、駐車位置選びの重要性を学んだんです。
トイレ・給水・電源などの設備詳細
トイレは24時間利用可能で、比較的清潔に保たれています。ただし、朝の時間帯(特に7時から8時)は混雑することがあるので、早めの利用をお勧めします。トイレットペーパーも常備されており、手洗い場には石鹸も用意されています。
給水については、道の駅の本館近くに給水ポイントがあります。ただし、営業時間内(通常午前8時から午後6時)のみの利用となるため、事前に十分な水を確保しておくことをお勧めします。我が家では、到着時に20リットルのポリタンクに水を満たしておくようにしています。
残念ながら、一般の車中泊者向けの電源設備は設置されていません。ただし、道の駅の施設内にコンセントが複数あり、スタッフに相談すれば、スマートフォンの充電程度であれば対応してくれることもあるようです。我が家はポータブル電源を持参しているので、これまで不便を感じたことはありません。
営業時間と利用可能な施設
道の駅なるさわの本館(物産館やレストラン)の営業時間は、通常午前8時から午後6時です。ただし、季節によって変動することがあるため、事前の確認をお勧めします。
物産館では、地元産の野菜や加工品、富士山麓の特産品が販売されています。我が家は、ここで購入した地元産のトマトとチーズを使って、車中泊での簡単なディナーを楽しむんですよね。レストランでは、ほうとうなどの郷土料理が提供されており、ランチタイムは結構混雑します。
実際に泊まってみた!車中泊の過ごし方と注意点
では、実際の車中泊体験についてお話しします。
夜間の静かさと朝日の美しさ
9月の中旬、妻と二人で初めて泊まった時のことです。夜8時に到着した時点で、駐車場には約20台の車がいました。うち、明らかに車中泊をしていると思われる車は5、6台程度。ほとんどが観光客の一時停車だったようです。
夜間は本当に静かなんです。時折、野生動物の鳴き声が聞こえることもありますが、それが却って心地よい。妻は「これが本当の『自然の中での眠り』なんだね」と言っていました。夜中の気温は15度程度まで下がり、初夏でも薄い毛布があると安心です。
朝は、5時半頃から富士山がシルエットとして浮かび上がり、6時を過ぎると、その山頂に朝日が当たり始めます。ピンク色から黄金色に変わっていく富士山を眺めながらのコーヒーは、本当に格別。バックパッカー時代、ネパールのポカラでポカラ湖を眺めながら見た朝焼けを思い出しました。
初心者が知っておくべきマナーと周辺ルール
車中泊をする際に最も大切なのは、マナーです。道の駅なるさわでも、いくつかのルールがあります。
第一に、エンジンの空ふかしやアイドリングは厳禁です。排気ガスは周囲の車に迷惑をかけるだけでなく、環境にも悪影響を与えます。我が家では、ポータブル電源とサーキュレーターを使って、エンジンを切った状態で車内の空気を循環させています。
第二に、朝早い出発や夜間の出入りは控えめに。駐車場全体が静かだからこそ、一台の車の音が目立つんです。我が家は、朝6時半までは出発しないようにしています。
第三に、ゴミは絶対に放置しないこと。道の駅には一般的なゴミ箱がないため、すべてのゴミは自分たちで持ち帰ります。環境への配慮は、旅人としての基本的な責任だと考えています。
失敗談:混雑時期の混み具合に驚いた話
実は、ゴールデンウィーク直前の4月下旬に訪れた時のことです。我々は、この時期が比較的空いていると予想していました。いやはや、大間違いでした。
到着したのは午後3時でしたが、既に駐車場はほぼ満車状態。車中泊可能なスペースは、ほんの2、3台分しか残っていなかったんです。結局、我々は別の道の駅に移動することになりました。
この経験から学んだのは、春休みやゴールデンウィーク、夏休みといった観光シーズンには、早めの到着(できれば午前中)が必須だということ。また、事前に天気予報を確認し、天気が良い日は混雑する傾向があるので、あえて曇りの日を狙うというのも一つの工夫ですね。
周辺の観光スポットと立ち寄り施設
道の駅なるさわは、単なる睡眠の場所ではなく、観光の拠点としても優秀です。
富士山の絶景スポットへのアクセス
道の駅から車で約15分のところに、「富士山パノラマライン」という景観道路があります。ここからは、富士山全体を見渡せる絶景が広がっています。特に、新緑の季節(5月)と紅葉の季節(10月)は、富士山と季節の彩りが美しく調和するんですよね。
また、西湖畔までは車で約10分。湖畔の遊歩道を散策すると、富士山の異なる表情が見えます。我が家は、毎回、朝食後に西湖畔を散歩するのが習慣になっています。
温泉施設や食事処の情報
周辺には複数の温泉施設があります。最も近いのは「富士眺温泉」で、道の駅から車で約5分。料金は大人600円程度で、露天風呂から富士山を眺めることができます。我が家は、毎回ここで入浴し、旅の疲れを癒しています。
食事については、道の駅内のレストランのほか、周辺に数軒の食堂があります。「なるさわ」という地名の由来にもなった、鳴沢村の郷土料理「鳴沢菜」を使った料理が特徴です。
朝食・買い出しに便利なお店
朝食については、道の駅の本館が開く午前8時以降であれば、物産館で地元産の食材を購入できます。新鮮な野菜やチーズ、パンなどが手に入ります。ただし、営業開始前に朝食を済ませたい場合は、事前にコンビニで購入しておくことをお勧めします。
最寄りのコンビニは、道の駅から車で約3分のところにあります。ただし、夜間の移動は控えめにして、到着時に必要な食材を購入しておくのが賢明です。
車中泊をさらに快適にする持ち物とDIY工夫
ここからは、我が家が実践している、車中泊を快適にするための工夫についてお話しします。
あると便利な道の駅なるさわ対応グッズ
第一に、ポータブル電源は必須です。我が家は1000Wh程度の容量のものを使用していますが、これがあれば、スマートフォンの充電はもちろん、小型の冷蔵庫や電気毛布も使用できます。
第二に、サーキュレーター。エアコンなしで車内の空気を循環させるのに役立ちます。特に、夜間にエンジンを切った状態で、湿度を管理するのに効果的です。
第三に、遮光カーテンやサンシェード。朝日が強いため、寝坊したい時は必須アイテムです。
第四に、十分な枚数の毛布やシーツ。標高が高いため、予想以上に冷え込むことがあります。
妻と実践している工夫と快適化のコツ
我が家の最大の工夫は、「車内キッチンの設営」です。折りたたみテーブルと、小型のポータブルコンロを持参し、簡単な調理ができるようにしています。これにより、毎朝、新鮮なコーヒーと簡単な朝食を、富士山を眺めながら楽しむことができるんですよね。
また、妻が提案した工夫として、「香りの演出」があります。小型のアロマテラピー用ディフューザーを持参し、ラベンダーやユーカリの香りを楽しむことで、より快適な睡眠環境を作り出しています。
さらに、「朝のルーティン」を決めることも重要です。毎朝、同じ時間に起床し、同じ順序で準備を進めることで、心身のリズムが安定し、より充実した旅ができるんです。
まとめ
道の駅なるさわは、富士山麓の隠れた名スポットです。静かで、清潔で、富士山の絶景が楽しめる。バックパッカー時代の旅の思い出が蘇るような、そんな特別な場所。
初めての車中泊にはもちろん、経験者にとっても、心身をリセットするのに最適な場所だと思います。ただし、シーズンによっては混雑することもあるため、事前の計画と早めの到着が大切。マナーを守り、環境に配慮しながら、この素晴らしい場所を大切にしていきたいですね。
妻と私は、これからも定期的にこの道の駅を訪れるつもりです。富士山の季節ごとの表情を眺めながら、ゆっくりとした時間を重ねていく。それが、今の私たちにとって、最高の贅沢なんですよ。

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