妻と二人で日本中を車中泊で旅するようになって、もう3年以上になります。バックパッカー時代は寝袋一枚で世界中を回っていましたが、いやはや、年を重ねると「快適な睡眠」の大切さが身に沁みるんですよね。最初は適当なエアマットで寝ていたのですが、朝起きると腰が痛くて…。そこから本格的にふとん選びを研究し始めました。今では、適切なふとんを選ぶことが、旅の満足度を左右する最重要ファクターだと確信しています。この記事では、実際に使用して試行錯誤した経験をもとに、車中泊に最適なふとん・マットレス選びのコツをお伝えします。
車中泊でふとんが必要な理由とは?
睡眠の質が旅の満足度を左右する
車中泊の魅力は、好きな場所で目覚めることができること。しかし、睡眠の質が低ければ、せっかくの旅も台無しになってしまいます。私たちが最初に経験した失敗は、「安いエアマットで十分だろう」という安易な考えでした。初めての北海道車中泊で、固いマットの上で寝た翌朝、腰痛で身動きが取れなくなってしまったんです。その日の観光は断念し、温泉に浸かって何とか回復させました。
良質な睡眠は、免疫力の向上、ストレス軽減、そして旅先での活動のパフォーマンスアップにつながります。特に、年齢を重ねた夫婦にとって、寝具選びは健康管理そのものなんですよね。一晩の睡眠時間は平均7時間程度。その時間を快適に過ごすことで、翌日の旅の質が劇的に変わります。
季節や気温への対応が重要
日本中を旅していると、季節による気温差は想像以上に大きいものです。真冬の北日本と真夏の南九州では、気温差が30℃以上になることもあります。そのため、ふとんも季節に応じて使い分ける必要があります。
冬場は保温性の高い羽毛ふとん、夏場は通気性の良い綿ふとんというように、季節ごとに適切なふとんを選ぶことが大切です。また、春や秋のような季節の変わり目は、掛けふとんと敷きふとんの組み合わせで温度調整できるシステムが活躍します。我が家では、基本的に通年使える羽毛掛けふとんと敷きふとんのセットを常備し、夏場はそれらを別々に使うという工夫をしています。
車中泊向けふとんの種類と特徴
掛けふとん(羽毛ふとん)の選び方
掛けふとんは、体温を逃がさず、かつ湿度を調整してくれる優れた寝具です。特に羽毛ふとんは、軽くて保温性に優れ、圧縮しやすいため、限られた車内スペースに最適です。
羽毛ふとんを選ぶ際は、以下のポイントが重要です。まず、「ダウン率」。ダウン(羽毛の中心部分)の割合が高いほど、保温性と軽さが向上します。目安として、ダウン率80%以上が理想的です。次に、「詰め物の量」。一般的に1kg~1.5kgが車中泊向けとしてちょうど良いバランスです。重すぎると圧縮が大変ですし、軽すぎると保温性が落ちます。
また、車中泊用の羽毛ふとんは、クッション機能を兼ねたものがおすすめです。昼間は腰当てクッションとして、夜間は掛けふとんとして使える二役製品なら、積載スペースを有効活用できます。
敷きふとん・マットレスの役割と違い
敷きふとんとマットレスは、体を支え、地面の凹凸から守り、湿気を吸収する重要な役割を担っています。車中泊では、ミニバンのフロアが完全にフラットでない場合が多いため、敷きふとんの厚さと硬さが快適さを大きく左右します。
敷きふとん(綿製)は、吸湿性に優れ、肌触りが良いのが特徴です。一方、マットレス(特にウレタンフォーム製)は、体圧分散性に優れ、腰への負担が少ないという利点があります。車中泊では、この両者の特性を活かし、敷きふとんとマットレスを組み合わせるのが理想的です。
自動膨張式マットの利便性
自動膨張式マットは、バルブを開くだけで自動的に膨らむマットレスです。手動のエアマットと違い、空気を吹き込む手間がなく、使い勝手が良いのが最大の魅力です。
厚さは通常6cm~10cm程度。8cm以上あれば、地面の凹凸をしっかり吸収できます。また、ウレタンフォームが内部に詰められているため、万が一穴が開いても、完全に空気が抜けることはなく、安全性が高いんですよね。
ただし、自動膨張式マットは吸湿性が低いため、湿度が高い季節には結露が発生しやすいという課題があります。そのため、下に防湿シートを敷くなど、湿気対策が必須です。
実際に使用した日本製ふとんの詳細レビュー
おすすめ商品1:ふとんファクトリーの羽毛ふとん(22,000円)
価格22,000円、レビュー評価4.5(8件)
この羽毛ふとんを購入したのは、昨年の秋。「クッションにもなる」という謳い文句に惹かれました。実際に使ってみて、その機能性に驚きました。日中は車内のシートの背もたれに立てかけて、腰当てクッションとして活躍。夜間は掛けふとんとして使用できます。
素材は日本製で、ダウン率が高く、非常に軽い。圧縮すると、我が家のミニバンのラゲッジスペースに無理なく収納できます。特に冬場の北海道での車中泊で、この羽毛ふとんの保温性を実感しました。外気温が-5℃でも、この一枚で十分に暖かく眠ることができました。
ただ、一つ注意点があります。羽毛ふとんなので、定期的に干して湿気を逃がす必要があります。車中泊中は、晴れた日に毎朝ふとんを干すようにしています。
おすすめ商品2:ふとんファクトリーの敷きふとん8cm(11,000円)
価格11,000円、レビュー評価4.84(43件)
この敷きふとんは、楽天でも1位を獲得している人気商品です。我が家も羽毛ふとんと同時に購入しました。厚さ8cmというのが、車中泊にはちょうど良いんですよね。
実際に使用してみて、最も印象的だったのは、体圧分散性の高さです。妻が「朝起きた時の腰の痛みが、以前とは比べ物にならないくらい軽くなった」と喜んでいました。また、敷きふとんの素材が綿製なので、吸湿性が高く、夏場でもべたつかず快適に眠れます。
日本製という点も信頼できます。素材の品質が良く、何度洗濯しても型崩れしにくいのが特徴です。我が家では月に1回程度、自宅に戻った時に洗濯していますが、3年経った今でも劣化の兆候がほとんど見られません。
ただし、8cmの厚さがあるため、圧縮時のサイズが大きくなるのが難点。コンパクトさを重視する場合は、薄めのマットレスを検討する必要があります。
おすすめ商品3:Bears Rockの自動膨張式マット8cm(7,350円)
価格7,350円、レビュー評価4.58(2,469件)
このマットは、コストパフォーマンスに優れた自動膨張式マットです。レビュー件数が2,469件と圧倒的に多いのが、その人気の証です。
我が家では、このマットを「サブ用」として購入しました。ふとんファクトリーの敷きふとんが主力ですが、友人が遊びに来た時や、敷きふとんを洗濯している時の代替として活躍しています。
実際に使ってみて、価格の割に品質が高いと感じました。8cmの厚さがあるため、地面の凹凸をしっかり吸収できます。また、バルブが2つ付いているため、膨らみが均等で、寝心地が安定しています。
ただ、敷きふとんと比べると、吸湿性が低いのが課題です。夏場に使用する際は、下に防湿シートを敷き、定期的に空気を通す工夫が必要です。また、ウレタンフォームの臭いが若干残っているため、最初は風通しの良い場所で十分に乾燥させることをおすすめします。
車中泊用ふとん選びの失敗談と成功のコツ
私たちが最初に犯した選択ミス
車中泊を始めた当初、我が家は「寝袋で十分だろう」と思っていました。バックパッカー時代の経験から、寝袋への信頼が厚かったんです。しかし、実際に寝袋で車中泊を始めてみると、様々な問題が発生しました。
まず、寝袋は圧縮性に優れているため、朝起きた時に体が冷え込みやすいんですよね。特に春や秋のような季節の変わり目は、夜間の気温低下に対応できず、何度も目が覚めてしまいました。また、寝袋は湿度調整が難しく、梅雨時期には内部に結露が発生し、寝具がびしょびしょになってしまいました。
その後、適当なエアマットを購入しましたが、これも失敗でした。安価なエアマットは、数週間で空気が漏れ始め、朝方には完全に潰れていました。また、薄いエアマットの上で寝ると、地面の凹凸がそのまま伝わり、腰痛が悪化してしまったのです。
これらの失敗を経て、我が家は「質の良いふとんに投資することが、長期的には最もコスパが良い」という結論に至りました。
限られた車内スペースを活用するコツ
ミニバンの車内スペースは限られています。我が家のミニバンは、後部座席を倒すと、約180cm × 150cm程度のスペースになります。このスペースに、敷きふとん、掛けふとん、枕、そして妻のスペースを確保する必要があります。
そこで活躍するのが、「多機能ふとん」です。先ほど紹介したふとんファクトリーの羽毛ふとんは、クッション機能を兼ねているため、日中は立てかけておくことで、スペースを有効活用できます。
また、敷きふとんと掛けふとんは、圧縮袋を使用して、できるだけコンパクトに収納します。我が家では、ラゲッジスペースの奥に圧縮袋で敷きふとんを保管し、掛けふとんは車内に常備しています。
さらに、枕も工夫しています。一般的な枕は場所を取るため、我が家では、クッションやタオルを丸めたものを即席の枕として使用しています。これなら、不要になった時は他の用途に転用できるんですよね。
季節ごとのふとん使い分け戦略
我が家の季節ごとのふとん戦略は、以下の通りです。
春(3月~5月):気温が不安定なため、ふとんファクトリーの羽毛ふとんと敷きふとんの組み合わせをそのまま使用します。朝晩は冷え込むため、掛けふとんが必須です。
夏(6月~8月):気温が高いため、掛けふとんを薄いタオルケットに変更します。敷きふとんはそのまま使用し、吸湿性を活かして、快適な睡眠環境を保ちます。
秋(9月~11月):再び気温が低下するため、羽毛ふとんと敷きふとんの組み合わせに戻します。秋雨の季節は湿度が高いため、定期的にふとんを干す工夫が重要です。
冬(12月~2月):最も気温が低い季節です。羽毛ふとんに加えて、毛布を追加する場合もあります。特に北日本での車中泊は、氷点下になることもあるため、保温性を最優先に考えます。
この季節ごとの使い分けにより、年間を通じて快適な睡眠環境を実現できています。
ふとんのお手入れと長く使うための工夫
車中泊での湿気対策
車中泊で最も厄介なのが、湿気です。特に、梅雨時期や雨の日は、車内の湿度が80%を超えることもあります。この湿気がふとんに吸収されると、カビやダニの温床になってしまいます。
湿気対策として、我が家では以下の工夫をしています。まず、毎朝、車内の窓を全開にして、十分な通風を確保します。特に、ふとんは窓の近くに立てかけて、できるだけ風が当たるようにしています。
次に、除湿剤を車内に常備しています。市販の除湿剤(シリカゲル製)を、ふとんの近くに置くことで、湿度を低く保つことができます。ただし、除湿剤は定期的に交換が必要なため、コストがかかるのが難点です。
また、防湿シートを敷きふとんの下に敷くことも効果的です。防湿シートにより、地面からの湿気がふとんに直接伝わるのを防げます。
さらに、週に1回程度は、ふとんを完全に乾燥させる日を設けています。晴れた日に、ふとんを車外に出し、数時間日光に当てることで、湿気を完全に逃がすことができます。
保管場所と収納のアイデア
ふとんの保管場所は、ふとんの寿命を大きく左右します。湿度が高い場所や、直射日光が当たる場所は避けるべきです。
我が家では、ふとんを圧縮袋に入れて、ラゲッジスペースの奥に保管しています。ラゲッジスペースは、比較的湿度が低く、直射日光も当たりにくいため、ふとんの保管に適しています。
ただし、圧縮袋に入れたままでは、ふとんが劣化してしまうため、月に1回程度は圧縮袋から出して、通風を確保するようにしています。
また、敷きふとんは、丸めて保管するのではなく、できるだけ広げて保管するようにしています。丸めたままだと、折り目が付きやすく、素材が傷みやすいからです。
定期的なメンテナンス方法
ふとんを長く使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。我が家では、以下のメンテナンスを実施しています。
月1回の洗濯:敷きふとんは、月に1回程度、自宅に戻った時に洗濯します。洗濯機で丸洗いできるため、手間がかかりません。ただし、羽毛ふとんは、洗濯すると羽毛が傷む可能性があるため、基本的には洗濯しません。
週1回の日干し:晴れた日には、できるだけふとんを車外に出して、日光に当てます。特に羽毛ふとんは、日光による殺菌効果を活かして、清潔に保つことができます。
定期的なダニ対策:ダニは、温度20℃~30℃、湿度60%~80%の環境を好みます。車中泊では、これらの条件が揃いやすいため、ダニ対策が重要です。我が家では、ダニ取りシートを使用して、定期的にダニを除去しています。
臭い対策:長期間の使用により、ふとんに臭いが付着することがあります。これを防ぐため、我が家では、消臭スプレーを定期的に使用しています。ただし、スプレーのかけすぎは、ふとんの素材を傷める可能性があるため、注意が必要です。
予算別・目的別ふとん選びガイド
コスパ重視なら自動膨張式マット
予算が限られている場合は、自動膨張式マットの選択をおすすめします。Bears Rockの自動膨張式マット8cmは、7,350円という手頃な価格で、十分な快適性を実現できます。
レビュー件数が2,469件と圧倒的に多いのは、多くのユーザーが満足していることの証です。また、自動膨張式マットは、キャンプでも使用できるため、汎用性が高いのも魅力です。
ただし、吸湿性が低いため、湿度が高い季節には、防湿シートの使用が必須です。また、ウレタンフォームの臭いが残っている可能性があるため、購入後は十分に乾燥させることをおすすめします。
快適性を優先するなら羽毛ふとん+敷きふとんの組み合わせ
快適性を最優先に考える場合は、ふとんファクトリーの羽毛ふとん(22,000円)と敷きふとん8cm(11,000円)の組み合わせをおすすめします。合計33,000円の投資になりますが、睡眠の質が劇的に向上するため、長期的には十分な価値があります。
羽毛ふとんは、保温性と軽さのバランスが優れており、敷きふとんは、吸湿性と体圧分散性に優れています。この二つを組み合わせることで、年間を通じて快適な睡眠環境を実現できるんですよね。
また、ふとんファクトリーの製品は日本製で、品質が高く、長期間の使用に耐えられるという利点があります。我が家では、3年以上使用していますが、劣化の兆候はほとんど見られません。
キャンプと兼用したい場合の選択肢
車中泊だけでなく、キャンプでも同じふとんを使用したい場合は、自動膨張式マットの選択をおすすめします。自動膨張式マットは、テント内での使用にも適しており、汎用性が高いからです。
Bears Rockの自動膨張式マット8cmは、キャンプでの使用を想定して設計されているため、耐久性も高く、長期間の使用に耐えられます。また、価格が手頃なため、複数枚購入して、車中泊用とキャンプ用に分けて使用することも可能です。
ただし、キャンプでの使用を想定する場合は、敷きふとんよりも、自動膨張式マットの方が扱いやすいというメリットがあります。敷きふとんは、テント内での使用を想定していないため、素材が傷む可能性があるからです。
まとめ
車中泊の快適さは、ふとん選びで決まると言っても過言ではありません。我が家が3年以上の車中泊経験を通じて学んだのは、「質の良いふとんに投資することが、最もコスパが良い」ということです。
予算に応じて、自動膨張式マット(7,350円)、敷きふとん(11,000円)、羽毛ふとん(22,000円)から選択できます。初心者であれば、コスパ重視で自動膨張式マットから始め、快適性を求めるようになれば、敷きふとんと羽毛ふとんへのアップグレードをおすすめします。
また、ふとんのメンテナンスも重要です。定期的な洗濯、日干し、ダニ対策を実施することで、ふとんを長く使用できます。これらの工夫により、年間を通じて快適な睡眠環境を実現でき、旅の満足度が大きく向上するんですよね。
日本中を旅する中で、様々な場所での車中泊を経験してきました。その中で感じたのは、「快適な睡眠があれば、どんな場所でも幸せに過ごせる」ということです。皆さんも、ぜひ自分に合ったふとんを見つけて、素晴らしい車中泊ライフを楽しんでください。

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