妻と一緒に車中泊を始めてから、もう3年になります。最初は「ミニバンがあれば何とかなるだろう」と甘く考えていたのですが、実際に何度も泊まってみると、グッズ選びの重要性が身にしみてわかるんですよね。今回は、私たちが実際に使ってみて「これは本当に必要だ」と感じたグッズと、反対に「買わなくてもいいな」と気づいたものまで、率直にお話しします。
車中泊初心者が最初に揃えるべき必需グッズ
寝心地を左右するマットレス・敷布団
車中泊の快適さの8割は、寝心地で決まると言っても過言ではありません。私たちが最初に購入したのは、ホームセンターで3,000円程度の薄いマットレスだったのですが、いやはや、翌朝は腰が痛くて大変でした。
その後、高反発マットレス(約8,000円)に買い替えたところ、劇的に改善されたんです。特におすすめなのは、キャンプ用の厚さ10cm程度のマットレスです。私たちが使っているのは、折りたたみ式の高反発ウレタンマットで、重さは約4kg。ミニバンの後部座席を倒した空間にぴったり収まります。
敷布団派の方もいますが、車内は湿度が高くなりやすいため、通気性の良いマットレスの方が長期的には衛生的なんですよね。
温度調整に欠かせない寝袋・毛布
季節によって、寝袋と毛布の組み合わせは変わります。夏場は薄い肌掛け布団で十分ですが、春と秋は中綿の寝袋、冬は厚手の寝袋が必要です。
私たちが愛用しているのは、3シーズン対応の寝袋(約5,000円)と、ウール混の毛布(約3,000円)の組み合わせです。この組み合わせなら、秋から春まで対応できるので、グッズの数を最小限に抑えられます。失敗したのは、最初に「オールシーズン対応」という謳い文句に惹かれて、高い寝袋を買ってしまったことです。実際には季節ごとに最適な厚さが異なるので、複数枚持つ方が結果的に経済的でした。
暗さと目隠しを確保するカーテン・サンシェード
道の駅や駐車場での車中泊では、プライバシーの確保が重要です。私たちが使っているのは、100円ショップで購入した突っ張り棒と、黒い遮光カーテンの組み合わせです。総額で約1,500円という低コストながら、効果は抜群です。
ただし、注意点として、完全に光を遮ると朝が来ても気づかないことがあります。妻が何度も寝坊してしまったため、現在は薄い遮光カーテンに変更しました。カーテンの選び方一つで、睡眠の質が大きく変わるんですよね。
安眠を実現するための睡眠環境グッズ
枕とクッションで首と腰をサポート
自宅で使っている枕をそのまま持ち込むのは、かさばるので現実的ではありません。私たちが使っているのは、キャンプ用の空気を入れるタイプの枕(約2,000円)です。使わないときは、コンパクトに折りたためるので、収納スペースを圧迫しません。
腰のサポートには、小型のクッション(約1,500円)が活躍します。特に長時間の運転後に車中泊をする場合、腰が疲れているので、このクッションがあると寝つきが良くなります。正直なところ、最初は「そこまで必要か?」と疑っていたのですが、妻が強く勧めてくれて購入したところ、今では手放せません。
通気性と保温性を兼ねた季節別の寝具選び
季節による寝具の選び分けは、思っている以上に重要です。夏場に厚い寝袋を使うと、汗をかいて逆に寝苦しくなります。一方、冬に薄い布団だけでは、夜中に寒さで目が覚めてしまいます。
私たちの経験則では、春と秋は寝袋と毛布の組み合わせ、夏は薄い肌掛け布団のみ、冬は厚手の寝袋に毛布を重ねるという形が最適です。これを実現するために、3種類の寝具を揃えるのに総額約15,000円かかりましたが、快適さを考えると安い投資だと感じています。
車内の湿度対策グッズの選び方
車内は密閉された空間なので、湿度が高くなりやすいんですよね。特に梅雨時期は、朝起きると窓が結露でびっしょりということがよくあります。
対策として、私たちが使っているのは、シリカゲルの除湿剤(約500円で5個セット)と、小型の除湿機(約3,000円)です。除湿剤は就寝前に車内に置き、朝に取り出すという習慣をつけました。除湿機は電源が必要ですが、モバイルバッテリーで対応できるので、便利です。
車中泊の快適性を高める生活用品
照明グッズ:LEDランタンと懐中電灯の使い分け
車内での照明は、天井のルームライトだけでは不十分です。私たちが使っているのは、LED懐中電灯(約2,000円)と、USB充電式のランタン(約3,500円)の組み合わせです。
ランタンは食事時や読書時に、懐中電灯はトイレに行く際や、ちょっとした作業時に使い分けています。ランタンは三脚に取り付けられるタイプを選ぶと、さらに便利です。実は最初、懐中電灯だけで十分だと思っていたのですが、妻から「夜間の読書が目に負担がかかる」と指摘されて、ランタンを追加しました。この判断は正解でしたね。
調理・食事関連:ポータブルコンロと食器類
毎回外食するのは経済的ではないので、簡単な調理ができる環境を整えるのは大切です。私たちが使っているのは、ガスカートリッジ式のポータブルコンロ(約2,500円)です。これで朝食のコーヒーを沸かしたり、簡単な調理をしたりしています。
食器類は、100円ショップで購入した軽いプラスチック製を使っています。陶器は重いし、割れるリスクもあるので、実用性を考えるとプラスチック製が正解です。総額で約3,000円あれば、2人分の食事に必要な食器が揃います。
ただし、注意点として、ガスコンロは火災のリスクがあるので、使用時は常に注意が必要です。私たちは、使用中は必ず窓を少し開けて、換気に気をつけています。
トイレ・洗面用品:ポータブルトイレと簡易シャワー
これは正直、最初は抵抗がありました。ですが、夜間にトイレに行きたくなったとき、わざわざ外に出るのは大変なんですよね。特に冬場は。
私たちが使っているのは、折りたたみ式のポータブルトイレ(約8,000円)です。使用後は専用の処理袋に入れて、翌日適切に処分します。衛生面で心配でしたが、使ってみると案外快適です。
簡易シャワーは、大型のスポーツ用品店で購入した、ポータブルシャワーシステム(約5,000円)を使っています。これは、ポリタンクに水を入れて、太陽光で温めるというシンプルな仕組みです。完全に温かいお風呂とはいきませんが、体を洗うには十分です。
安全性と防犯を守るグッズ
防犯対策:ドアロックと窓の補強グッズ
道の駅での車中泊では、防犯対策が重要です。私たちが使っているのは、追加のドアロック(約3,000円)と、窓用の補強ロック(約2,000円)です。これらがあると、夜間も安心して眠ることができます。
実は、以前、駐車場で他の車が被害に遭ったことがあります。それ以来、防犯意識が高まりました。追加のロックは、純正のロックだけでは不安という心理的な安心感も与えてくれます。
緊急時の安全用品:消火器とジャンプスターター
これは「あると良い」というレベルではなく、「必ず持つべき」グッズです。消火器(約3,000円)とジャンプスターター(約5,000円)は、いざというときの命綱になります。
特にジャンプスターターは、バッテリーが上がったときに非常に役立ちます。私たちは、寒冷地での車中泊中に、暖房をつけっぱなしにしてバッテリーが上がってしまったことがあります。ロードサービスを呼ぶと費用がかかりますが、ジャンプスターターがあれば自力で対応できました。
通信・照明の予備:モバイルバッテリーとラジオ
モバイルバッテリー(約3,000~8,000円、容量による)は、複数個持つことをおすすめします。スマートフォンの充電切れは、緊急時に命に関わる可能性があるからです。
ラジオ(約2,000円)も重要です。停電時や緊急時に、情報を得るための手段になります。私たちは、AM/FM対応の小型ラジオを持っています。
車中泊の快適性を高める生活用品
収納・整理整頓:ボックスとネット
限られた車内スペースを有効活用するには、収納が重要です。私たちが使っているのは、折りたたみ式のコンテナボックス(約1,500円×3個)と、天井用のネット(約800円)です。
これらを使うことで、食器類、衣類、調理道具などを整理できます。整理整頓ができていないと、必要なものが見つからず、イライラすることになります。実は、妻と「どこに何を入れるか」で意見が分かれたことがあります。最終的には、よく使うものを手前に、季節ものを奥に入れるという妥協案に落ち着きました。
車内の温度管理:扇風機と断熱材
夏場の車内は、想像以上に暑くなります。私たちが使っているのは、USB充電式の小型扇風機(約2,000円)と、窓用の断熱シート(約3,000円)です。
扇風機は、就寝時の空気循環に役立ちます。断熱シートは、夏場の日中に貼ることで、車内の温度上昇を抑えることができます。ただし、完全に光を遮るので、朝が来ても気づかないという問題があります。私たちは、フロントウインドウには貼らず、サイドウインドウだけに貼るという工夫をしています。
レジャー用品:クーラーボックスと網戸
クーラーボックス(約5,000~10,000円)は、食材の保存に欠かせません。特に夏場は、腐敗のリスクがあるので、必須グッズです。
網戸(約2,000円)も、意外と重要です。窓を開けて通風したいとき、虫の侵入を防ぐことができます。私たちが使っているのは、マグネット式の網戸で、取り付けが簡単です。
季節別・目的別のグッズ選びのコツ
夏の車中泊に必須なグッズの選び方
夏場の車中泊では、熱中症対策が重要です。必須グッズは、扇風機、断熱シート、薄い寝具、そして何より大量の水です。
私たちは、20リットルのポリタンクに水を入れて持ち運んでいます。これは、飲料水としてだけでなく、簡易シャワーの水源にもなります。夏場は、1日に最低10リットルの水を使うという計算です。
冬の車中泊を乗り切るための工夫
冬場は、保温が重要です。必須グッズは、厚手の寝袋、毛布、そして暖房です。私たちは、ポータブルな石油ストーブ(約10,000円)を使っています。これは、ガスカートリッジ式よりも燃費が良く、長時間の暖房に適しています。
ただし、一酸化炭素中毒のリスクがあるので、絶対に窓を少し開けて換気する必要があります。この点は、妻と何度も確認し合っています。
長期滞在と短期滞在での荷物の選別方法
短期滞在(1~2泊)と長期滞在(1週間以上)では、グッズの選び方が異なります。短期滞在では、最小限の荷物で快適さを確保することが重要です。一方、長期滞在では、多少かさばっても、生活の質を高めるグッズを持つべきです。
私たちの経験則では、短期滞在は荷物を30kg以下に抑え、長期滞在は50kg程度まで許容するという基準にしています。
失敗から学んだ「買わなくてもいいグッズ」と代替案
高価なグッズより工夫とDIYで解決した例
実は、私たちが最初に買った高価なグッズの多くは、今では使われていません。例えば、30,000円の高級マットレスを買ったのですが、結局は8,000円の高反発マットレスの方が使いやすいということに気づきました。
また、10,000円の自動温度調整機能付きのLEDランタンも、結局は3,500円のシンプルなランタンで十分だと判明しました。
代わりに、私たちが活用しているのは、ホームセンターで購入した材料でDIYした、車内用の棚です。総額で2,000円程度の材料で、カスタマイズされた収納スペースを作ることができました。このDIYの棚は、既製品の何倍も使いやすいんですよね。
グッズ選びで陥りやすい罠と後悔しない選び方
グッズ選びで陥りやすい罠は、「高い=良い」という思い込みです。実際には、グッズの価格と使いやすさは、必ずしも比例しません。
後悔しない選び方のコツは、以下の3点です:
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レビューを参考にする:実際に使った人の感想を読むことで、自分に合ったグッズかどうかが判断できます。
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試してから買う:可能であれば、レンタルサービスやお試し期間を活用して、実際に使ってみることをおすすめします。
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必要最小限から始める:最初は必須グッズだけを揃えて、実際に使ってから追加購入するという方法が、無駄を減らせます。
妻と意見が分かれたグッズ選びの経験談
妻と私の意見が最も分かれたのは、ポータブルトイレの必要性についてです。私は「道の駅にはトイレがあるから不要」と考えていたのですが、妻は「夜間に外に出るのは怖い」と主張していました。
最終的には、妻の意見を尊重してポータブルトイレを購入しました。今では、妻の判断が正しかったと認めています。特に、悪天候の夜間や、人気のない駐車場での滞在時には、このトイレが非常に役立ちます。
このエピソードから学んだのは、グッズ選びは「快適さ」だけでなく「安心感」も重要だということです。価格や必要性だけで判断するのではなく、使う人の心理的な安心感も考慮する必要があるんですよね。
まとめ
車中泊を快適にするグッズ選びは、「正解」がありません。人によって、季節によって、目的によって、最適なグッズは変わります。大切なのは、自分たちのライフスタイルに合ったグッズを、試行錯誤しながら見つけることです。
高価なグッズよりも、工夫とDIYで快適な空間を作ることの方が、実は楽しいんですよね。妻と一緒に、少しずつ自分たちの「理想の車中泊スタイル」を作り上げていく過程は、旅そのものと同じくらい大切な時間です。
これからも、新しいグッズを試したり、不要なものを手放したりしながら、車中泊の快適さを追求していきたいと考えています。皆さんも、自分たちに合ったグッズを見つけて、素敵な車中泊ライフを楽しんでくださいね。

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