車中泊できる車の選び方!実際に乗り比べてわかった最適な1台の見つけ方

バックパッカー時代は世界中を転々としていましたが、今は妻と一緒に日本を車中泊で巡る人生。最初は「どんな車を選べばいいのか分からない」と、本当に悩みました。いやはや、ディーラーを3軒も回ったんですよ。その過程で気づいたのは、雑誌やネットの情報だけでは、実際の快適さは分からないということ。今回は、我が家が実際に乗り比べて学んだ、車中泊に最適な1台の見つけ方をお伝えします。

車中泊に向いている車のタイプとは?

車中泊を始めたばかりの頃、私たちは「とにかく広い車ならいい」と思い込んでいました。でも実際に何台も試してみると、単純な広さだけではないんですよね。大切なのは、限られたスペースをいかに効率よく使うか、そして快適に過ごせるかという工夫なんです。

ミニバンが圧倒的に優秀な理由

現在、我が家の相棒はホンダ・ステップワゴンのミニバンです。なぜミニバンが車中泊に適しているかというと、まず室内高さが約1,400mm以上あり、寝ている状態で身動きが取れるからなんですよね。セカンドシートとサードシートを倒すと、ほぼフラットな空間が生まれます。我が家の場合、約1,900mm×1,200mmの寝床が確保でき、妻と二人で十分に寝られます。

さらに、ミニバンの利点は汎用性にあります。雨の日は荷物を室内に置けますし、調理スペースも確保しやすい。実際に、去年の秋に長野県の白樺湖周辺を巡った時、ステップワゴンの広さのおかげで、簡易ストーブを安全に使用でき、妻とコーヒーを飲みながら朝日を眺めることができました。あの時間は、本当に贅沢だったなあ。

ミニバンの平均購入価格は、新車で280万円~350万円程度。中古であれば、3~5年落ちで150万円~200万円で良質な車が見つかります。

SUVと軽自動車の意外な落とし穴

SUVは確かに高級感があり、悪路走破性も高いんですよね。でも車中泊という観点では、実は落とし穴があるんです。SUVは室内高さが限られていることが多く、特に日本車のコンパクトSUVだと1,200mm程度。これでは、寝ている時に頭が天井に当たってしまいます。私の友人が購入したトヨタ・ハリアーで一度泊まらせてもらったことがあるのですが、いやはや、窮屈でしたね。翌朝、首が痛くて……。

軽自動車も同様です。確かに燃費は良く、維持費も安いのですが、室内長が1,600mm程度では、大人が足を伸ばして寝ることができません。我が家の妻は身長160cmですが、軽自動車では斜めに寝なければならず、腰痛が悪化してしまいました。

軽キャンパーという選択肢

最近、注目を集めているのが軽キャンパーです。スズキ・ハスラーやダイハツ・タフトなどをベースにした軽キャンパーは、専門メーカーによる改造で、限られたスペースを最大限に活用しています。価格は180万円~250万円程度と、新車のミニバンより安いんですよね。

ただし、軽キャンパーにも課題があります。まず、カスタマイズ幅が限られていること。次に、メンテナンスの際、キャンパー部分の対応可能な業者が限定されることです。我が家は最終的にミニバンを選びましたが、これは「自分たちでDIY改造できる自由度」を重視したからなんです。

車中泊初心者が見落としがちなチェックポイント

車を選ぶ際、多くの初心者が見落とすポイントがあります。それは、実際に車内で寝てみること。ディーラーのショールームで寸法を測るだけでは、本当の快適さは分かりません。

室内高さと寝床の広さの関係性

室内高さと寝床の広さは、車中泊の快適性を左右する最重要項目です。目安として、室内高さは最低1,300mm以上、できれば1,400mm以上が理想的。これは、寝ている状態で上半身を起こせるスペースが必要だからです。

寝床の広さについては、大人2人が寝る場合、最低でも1,800mm×1,200mm必要です。我が家のステップワゴンは1,900mm×1,200mmなので、かなり余裕があります。一方、ノアやヴォクシーは1,850mm×1,200mm程度で、やや窮屈に感じる方もいるようですね。

実際に購入前に、ディーラーでシート配置を確認し、可能であれば実際に横になってみることをお勧めします。私たちも購入前に3時間、ステップワゴンの中で横になって、本当に寝られるか試しました。その時の判断が、今の満足につながっているんです。

通気性と結露対策の重要性

車中泊で最も悩ましい問題が、結露です。特に冬場、車内と外気の温度差で、窓が曇ってしまうんですよね。これは、見た目の問題だけでなく、カビやバクテリアの繁殖につながり、健康被害にもなりかねません。

通気性を確保するには、まず窓の開け方が重要です。全ての窓を完全に閉じるのではなく、わずかに開けて空気を流すことが大切。我が家では、運転席と助手席の窓を5cm程度開け、さらにサンシェードで断熱性を高めています。これにより、結露をかなり減らせました。

また、車選びの際は、通気口の位置と数を確認しましょう。ミニバンは通常、複数の通気口があり、空気の流れが良好です。一方、軽自動車は通気口が限定されていることが多いんですよね。

夏場の熱対策と冬場の防寒性

夏場の車中泊は、想像以上に暑いんです。特に日中、直射日光が当たると、車内温度は50℃を超えることもあります。これは命に関わる問題ですので、対策が必須です。

車選びの段階では、窓の大きさと数を確認してください。ミニバンは窓が多く、換気がしやすいのが利点です。さらに、購入後のDIY改造で、天井に小型の換気口を付けたり、遮光カーテンを自作したりすることで、かなり改善できます。我が家では、100円ショップで購入した断熱シートを窓に貼り、さらに網戸を自作しました。材料費は約3,000円で、効果は絶大でしたね。

冬場の防寒性については、断熱性能が高い車を選ぶことが大切です。ミニバンは、軽自動車に比べて断熱性が優れていることが多いんですよね。さらに、購入後に床下に断熱材を敷き詰めたり、壁にアルミシートを貼ったりすることで、暖房の効きが大幅に改善します。

実際に車中泊できる車のおすすめ車種5選

ここからは、実際に乗り比べて、車中泊に適していると判断した車種をご紹介します。

ホンダ・ステップワゴン(我が家の相棒)

ステップワゴンは、我が家が現在使用している車です。最大の利点は、室内高さが1,405mmと十分で、寝床のフラット性が優れていることです。新型(ステップワゴン e:HEV)の場合、燃費は約20km/Lと、ミニバンの中でも優秀なんですよね。

新車価格は320万円~380万円程度。中古の場合、2018年~2020年モデルで180万円~220万円で購入できます。我が家は2019年式の中古車を200万円で購入しました。

実際に使用していて感じるのは、シートアレンジの自由度の高さです。セカンドシートとサードシートの配置を自由に変更でき、荷物の量に応じてレイアウトを調整できるんです。

トヨタ・ノア/ヴォクシー

ノアとヴォクシーは、ステップワゴンのライバル車です。室内高さは1,405mm(ノア)と同等で、寝床のサイズも1,850mm×1,200mm程度と、ほぼ同じです。新車価格は310万円~370万円。

ノアとヴォクシーの違いは、主にエクステリアデザイン。ヴォクシーはより若々しく、スポーティなデザインが特徴です。燃費はステップワゴンと同等程度で、約18~20km/Lです。

実際に試乗した際、ノアは落ち着いた乗り心地、ヴォクシーはやや硬めの乗り心地という印象を受けました。長距離運転を考えると、ノアの方が疲れにくいかもしれませんね。

日産・セレナ

セレナは、3列ミニバンの中でも、比較的リーズナブルな価格帯が特徴です。新車価格は280万円~340万円程度で、ステップワゴンやノアより約30万円安いんですよね。

室内高さは1,400mm程度で十分ですが、寝床のフラット性がやや劣るという評判があります。実際に試乗してみたところ、セカンドシートとサードシートを倒した時に、わずかな段差が残るんです。この段差を解消するには、DIY改造で木製ベッドを自作する必要があります。

ただし、セレナは燃費が良く、約17~19km/Lと経済的です。予算が限られている方には、良い選択肢だと思います。

スズキ・ハスラー

ハスラーは、軽自動車ながら、SUVの魅力を備えた車です。室内高さは1,250mm程度と、ミニバンに比べると低いのですが、軽自動車の中では優秀です。新車価格は170万円~210万円と、非常にリーズナブルなんですよね。

ハスラーの利点は、悪路走破性と燃費の良さです。約20~23km/Lという優秀な燃費は、長距離車中泊旅行の強い味方になります。一方、寝床の広さは1,600mm×1,100mm程度と、やや窮屈です。

我が家の友人がハスラーで車中泊を始めましたが、「狭いけど、軽自動車ならではの小回りの良さが、駐車場探しで役立つ」とのことです。予算が限られている方や、一人での車中泊を考えている方には、良い選択肢だと思います。

軽キャンパー各種

軽キャンパーは、ハスラーやタフトをベースに、専門メーカーが改造した車です。価格は180万円~250万円程度で、新車のミニバンより安いのが利点です。

軽キャンパーの最大の特徴は、コンパクトながら、快適な居住空間を実現していることです。ベッド、キッチン、トイレなどが装備されているモデルもあり、「本格的なキャンピングカーは高すぎるけど、快適に過ごしたい」という方に適しています。

ただし、軽キャンパーは中古車市場が限定されており、購入後のメンテナンスも専門業者が限定されることが多いんですよね。我が家が最終的にミニバンを選んだのは、この理由も大きいです。

予算別・車中泊できる車の賢い選び方

車中泊を始める際、予算は大きな判断基準になります。ここからは、予算別の選び方をご紹介します。

100万円以下の中古車を狙うコツ

100万円以下の予算で車中泊できる車を探すなら、中古のミニバンやコンパクトカーを狙うのが現実的です。ただし、この価格帯では、車の年式が古くなる傾向があります。目安としては、2010年~2015年モデルです。

購入時の注意点は、走行距離とメンテナンス履歴を確認することです。走行距離が10万km以上の場合、エンジンやトランスミッションの寿命が近づいている可能性があります。さらに、定期的なメンテナンスが行われていない車は、購入後に大きな修理費がかかることもあるんですよね。

我が家の友人は、100万円以下で購入したセレナが、購入半年後にエンジン不調で50万円の修理費がかかったと言っていました。いやはや、恐ろしい話です。必ず、購入前に整備工場で点検を受けることをお勧めします。点検費用は5,000円~10,000円程度ですが、後々の大きなトラブルを防げます。

200万円前後で新車購入するなら

200万円前後の予算があれば、新車のコンパクトカーや軽キャンパーが視野に入ります。また、中古のミニバンなら、比較的新しいモデル(2015年~2018年)が購入できます。

この価格帯で新車を購入する場合、セレナやハスラーが候補になります。セレナは約280万円ですが、ディーラーでの値引きを交渉すれば、200万円前後まで下げられることもあるんですよね。

中古のミニバンを購入する場合、200万円あれば、ステップワゴンやノアの2015年~2018年モデルが購入できます。この年式なら、エンジンも十分に信頼性がありますし、走行距離も5万km~8万km程度が目安です。

軽自動車で無理なく始める方法

「とにかく費用を抑えたい」という方には、軽自動車での車中泊をお勧めします。新車なら170万円~210万円、中古なら80万円~120万円で購入できます。

軽自動車での車中泊を快適にするコツは、DIY改造にあります。ベッドキットを自作し、通気性を高める改造を施すことで、ミニバンに近い快適さを実現できるんですよね。材料費は約5万円~10万円程度です。

ただし、軽自動車での車中泊は、長期の旅には向きません。我が家の妻は「数日なら大丈夫だけど、1週間以上は腰が痛くなる」と言っています。短期の週末車中泊を考えている方には、軽自動車は十分な選択肢だと思います。

よくある失敗例から学ぶ車選びの教訓

これまでの経験を通じて、多くの失敗例を見てきました。ここからは、その教訓をお伝えします。

「広さだけ」で選んで後悔した話

我が家の知人が、「とにかく広い車がいい」と、中古の大型ミニバン(ホンダ・オデッセイ)を購入しました。確かに室内は広く、寝床も1,950mm×1,300mm以上あります。ところが、問題は燃費だったんですよね。

オデッセイの燃費は約12~14km/Lと、ステップワゴンの約18~20km/Lに比べて大幅に悪いんです。その知人は、1ヶ月間の旅で、ガソリン代に約15万円かかったと言っていました。いやはや、驚きました。

広さだけを優先して、燃費や維持費を計算に入れなかったために、旅全体の経済性が大幅に低下してしまったんです。車選びの際は、「広さ」「燃費」「維持費」のバランスを取ることが大切です。

燃費を軽視したせいで旅が台無しに

もう一つの失敗例は、燃費を軽視した話です。我が家の別の友人が、「古い軽トラックなら安く購入できる」と、1970年代の軽トラックを購入しました。購入価格は50万円と非常に安かったのですが、燃費は約8km/Lと最悪だったんですよね。

さらに、エアコンが壊れていたため、夏場は車内温度が50℃を超え、到底車中泊できる状態ではありませんでした。結局、修理費に30万円かかり、購入価格の60%が修理費に消えてしまったんです。

この経験から学んだのは、「安さだけで判断してはいけない」ということです。購入価格が安くても、燃費が悪く、修理費がかかれば、結果的に割高になってしまうんですよね。

維持費の計算を忘れていた初心者時代

我が家が最初に購入した車は、15年落ちの中古セレナでした。購入価格は80万円と非常に安かったのですが、その後の維持費で苦労しました。

購入から1年間で、以下の費用がかかりました:
– 車検:約15万円
– 定期メンテナンス(オイル交換、フィルター交換など):約8万円
– 修理費(ウォーターポンプ交換):約12万円
– 自動車税:約39,500円
– 自動車保険:約60,000円
– ガソリン代(月平均8万円):約96万円

合計すると、約230万円の維持費がかかってしまったんですよね。いやはや、計算が甘かったです。この経験を経て、我が家は現在のステップワゴンに買い替えました。新しい車の方が、エンジンが効率的で、燃費も良く、修理費も少ないため、結果的に経済的だったんです。

車中泊を快適にするDIY改造のポイント

車を購入した後、快適さを追求するなら、DIY改造が欠かせません。ここからは、実際に我が家が行った改造をご紹介します。

高価な改造より工夫が大事

車中泊の快適性を高めるために、専門業者に改造を依頼すると、数十万円~数百万円の費用がかかります。ただし、我が家の経験からすると、高価な改造よりも、工夫と知恵が大切なんですよね。

例えば、遮光カーテンを自作する場合、専門業者に依頼すると約10万円かかることもあります。ところが、ホームセンターで購入した遮光布と突っ張り棒を使えば、約2,000円で同等のものが作れるんです。さらに、自作なら、車の形状に合わせて自由にカスタマイズできるのが利点です。

我が家では、このような小さな工夫を積み重ねることで、購入価格の10%程度の費用で、快適な車中泊環境を実現しました。

ベッドキットは自作できる

ベッドキットは、車中泊の快適性を大きく左右する要素です。市販のベッドキットは、10万円~30万円と非常に高いんですよね。

ところが、我が家は、ホームセンターで購入した合板と2×4材を使って、ベッドキットを自作しました。費用は約1万5,000円です。作成時間は、妻と二人で約8時間でした。

ベッドキットの自作手順は、以下の通りです:
1. シートを倒した状態の寸法を正確に測定する
2. ホームセンターで合板(厚さ12mm)と2×4材を購入する
3. 自宅で、のこぎりで必要なサイズに切断する
4. 車に運び、シートの上に敷く
5. 滑り止めシートを敷く

完成後、マットレスを敷けば、完全にフラットな寝床が完成します。この自作ベッドキットのおかげで、我が家の車中泊がぐっと快適になりました。

通気性を上げる簡易改造

結露対策として、我が家は天井に小型の換気口を自作しました。方法は、以下の通りです:

  1. ホームセンターで、直径10cm程度の通気口キット(約3,000円)を購入する
  2. 天井の適切な位置に、穴を開ける
  3. 通気口を取り付ける

この簡易改造により、車内の湿度が大幅に低下し、結露がほぼ消滅しました。さらに、夏場の通気性も向上し、エアコンの効きが改善されたんですよね。

その他の通気性改善方法としては、以下のものがあります:
– 網戸を自作し、窓を開けて空気を流す(材料費:約1,000円)
– 小型の扇風機を取り付ける(費用:約2,000円)
– 天井にアルミシートを貼り、断熱性を高める(材料費:約3,000円)

これらの改造を組み合わせることで、快適な車中泊環境が実現できるんです。

まとめ

車中泊に適した車選びは、単なる「広さ」だけでは判断できません。室内高さ、寝床の広さ、燃費、維持費、そして自分たちのライフスタイルに合致しているかどうかが、重要な判断基準になるんですよね。

我が家の経験からすると、ミニバンは、車中泊初心者から上級者まで、最も汎用性の高い選択肢だと思います。ステップワゴン、ノア、ヴォクシー、セレナなど、複数の選択肢がある中で、試乗や実際に寝てみるなど、十分な検討を経た上で購入することをお勧めします。

また、購入後のDIY改造も、快適さを追求する上で欠かせません。高価な改造よりも、工夫と知恵を絞ることで、経済的かつ自分たちのニーズに合った快適な環境が実現できるんです。

妻と一緒に、日本中を車中泊で巡る人生は、本当に豊かだと感じます。この記事が、皆さんが最適な1台を見つけ、素晴らしい車中泊ライフを始める手助けになれば、幸いです。さあ、次はどこへ旅しようか。そんな期待と興奮を胸に、今日も我が家のステップワゴンで、新しい場所へ向かっています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました